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「食品残さ等利用飼料における安全確保のためのガイドライン」に関するQ&A

総論

A1 わが国の飼料自給率は25%と低く、新たな食料・農業・農村基本計画(平成17年3月25日閣議決定)でも、飼料自給率の向上が重要な課題となっています。
   特に9%と非常に低い濃厚飼料※の自給率の向上のためには、食品残さの飼料利用を推進することが重要です。
   また、環境への影響の低減や食育の観点から、資源循環型社会の構築が求められている中、わが国畜産においては、食品残さ等の未利用資源を有効に活用し、「資源循環型畜産」の確立に向け取り組んでいくことが必要であると考えます。
   さらに、畜産農家においては、飼料費の低減による畜産経営の低コスト化のみならず、地域の農産物等の残さを利用することで、地域社会へ貢献するとともに、地産・地消を推進することができます。
    ※ 濃厚飼料:穀類・油粕類・糠類など、繊維が少なく可消化栄養素含量の多い飼料
A2 食品残さ等利用飼料の主なリスクとしては、畜産物を介して人に影響を及ぼすものと家畜に影響を及ぼすものが考えられます。具体的には以下のとおりです。
    ・細菌、ウイルス等病原微生物汚染(豚コレラ、口蹄疫、サルモネラなど)
    ・洗剤、殺虫剤、医薬品等の化学物質及び重金属の混入
    ・包装容器、はし、つまようじ等の異物の混入
    ・農林水産大臣の確認を受けていない動物由来たん白質の混入
    ・腐敗、変敗
A3 食品残さは、食品の製造、流通及び消費の際に生じるもので、ガイドラインの定義に示している食品製造副産物等、余剰食品、調理残さ及び食べ残しが該当します。
   これらのリスクとして、
    ・細菌、ウイルス等病原微生物汚染
    ・洗剤、殺虫剤、医薬品等の化学物質及び重金属の混入
    ・包装容器、はし、つまようじ等の異物の混入
    ・農林水産大臣の確認を受けていない動物由来たん白質の混入
    ・腐敗、変敗
  が懸念されることから、分別の徹底、適切な加熱処理等が重要と考えられます。
A4 食品残さ等利用飼料の安全性確保のためには、排出元が分別の徹底を図ることが不可欠です。このため、本ガイドラインでは、排出元の責任を具体的に明記しており、排出者の方にはこの点を含めガイドライン全般にわたる規定の遵守をお願いします。
A5 本ガイドラインは、新規参入業者の方のみを対象にしたものではありません。したがって、既存の業者の方も本ガイドラインに基づき飼料の製造、保管等を行って頂く必要があります。
A6 本ガイドラインは、他業種からの新規参入業者を初めとする関係者の方を念頭に置いて、法的規制や新たな指導事項を取りまとめたものです。
   食品残さ等利用飼料に関する飼料安全法の主要な規制を記載した箇所では、「飼料安全法第条違反となる」という表現をしています。これらは、原則として罰則の対象となります(ただし、農家における使用時の帳簿の記載は、飼料安全法に基づくものですが、努力義務規定であり、罰則の対象とはなりません)。
   また、食品残さの安全性確保のため特有の対策として、①原料収集時等の異物の分別の徹底、②原料排出元の責任の明確化、③原料排出元との契約、④原料排出元の確認等の規定を設けていますが、これらは飼料安全法に基づく規定ではなく、罰則の対象とはなりませんが、食品残さの安全性確保を万全なものとするため確実に実施して頂きたいと思います。なお、本ガイドラインはパブリックコメントを募集する際、行政手続法に基づく「行政指導」に該当するものと位置付けており、任意のガイドラインではありません。
A7 本ガイドラインは、食品残さ等利用飼料の安全性の確保を図るために定めたものであり、新規参入業者を初めとする関係者等に対して、本ガイドラインを周知することにより、一層の安全性の確保を図っていきたいと考えています。なお、食品残さ等利用飼料の製造業者は飼料安全法の対象となるため、必要に応じての立入検査を実施し、ガイドラインの実施状況を確認することになります。
A8 食品残さ等利用飼料の製造業者は、飼料安全法における飼料製造業者に該当し、農林水産省、独立行政法人農林水産消費安全技術センター又は都道府県が必要に応じて立入検査を行うことになります。
A9 本ガイドラインは、食品残さの安全性確保のため特有の対策として、①原料収集時等の異物の分別の徹底、②原料排出元の責任の明確化、③原料排出元との契約、④原料排出元の確認等の規定を設けています。これらは、飼料安全法に基づく規定ではなく、罰則の対象とはなりませんが、食品残さ利用飼料の安全性確保のために重要な項目ですので、遵守していただくようお願いします。
 一方、他業種からの新規参入業者の方を念頭に置いて、食品残さ等利用飼料に関する飼料安全法の主要な規制を記載していますが、これらは原則として罰則の対象となります(農家における使用時の帳簿の記載は、飼料安全法に基づくものですが、努力義務規定であり、罰則の対象とはなりません)。
A10 本ガイドラインは、新たに法的な規制をするものではありません。このため、猶予期間は設けていません。
A11 食肉の混入した食品残さは、EUでは一部の国を除き、2002年からその使用が禁止されています。一方、米国においては、豚用飼料として生残飯の給与が禁止されています。このように、食品残さに対する規制は一律ではなく、我が国が過剰規制をしているとは言えません。本ガイドラインは、わが国の食品残さ等利用飼料の製造動向を踏まえ、その安全性の確保に万全を期すため制定したものです。
A12 飼料安全法以外の規定として、①原料収集時等の異物の分別の徹底、②原料排出元の責任の明確化、③原料排出元との契約、④原料排出元の確認等の規定を設けています。これらをはじめ本ガイドライン全般を遵守して頂きたいと思います。
A13 食品の安全性確保は、食品関連事業者、消費者、行政等と共に作り上げていくものであり、循環型社会の構築も踏まえて、関係者のコミュニケーションが不可欠と考えています。
 調理残さや食べ残しの飼料利用は広く行われており、このガイドラインはその安全性確保を万全にするために定めたものです。このガイドラインを遵守していただき、食品残さ利用飼料の安全性が担保されることにより、食品残さ利用飼料のイメージアップが図られるものと思います。
 現在、多くの消費者がリサイクルなど資源循環に関わる様々な活動に取り組んでおり、食品残さ等飼料利用について、ガイドラインに基づき適正に行われることを前提に、理解が得られるものと考えています。このガイドラインを元に食品関連事業者(畜産農家を含む)が積極的に消費者とコミュニケーションを図ることをお願いしたいと思います。
A14 はい、本当です。「ほ乳動物に由来するたん白質であって、食品に供された後に、又は食用に供されずに豚又は家きんの飼料として使用される食品に含まれるもの」(食品残さのうち調理残さ及び食べ残しの大部分が該当する)は、飼料とすることができます。ほ乳動物に由来するたん白質のうちには、牛肉も含まれ、豚や鶏の飼料に利用される唯一の経路となっています。これは、BSEの防止の観点で定められた諸規制の中では、例外的なものですが、食卓にあがり人が食べようとしたものは、鶏や豚の飼料として利用する限りにおいて、BSEの防止の観点からはリスクが低いと判断されたことによるものです。
A15 このガイドラインの対象としているものは、飼料安全法の対象家畜用飼料です。したがって、ペット用は対象になりません。なお、飼料安全法の対象家畜は以下のとおりです。
 対象家畜:牛、豚、めん羊、山羊、しか、鶏、うずら、みつばち、ぶり、まだい、ぎんざけ、かんぱち、ひらめ、とらふぐ、しまあじ、まあじ、ひらまさ、たいりくすずき、すずき、すぎ、くろまぐろ、くるまえび、こい(食用に供しないものを除く)、うなぎ、にじます、あゆ、やまめ、あなご、にっこういわな、えぞいわな、やまといわな

〔各論-定義等〕

A16 食品製造副産物等の等は、製造副産物に相当しない野菜カット屑等の加工屑を指しており、定義の後段に記載しています。
A17 ジスチラーズドライドグレインソリュブル(DDGS)は、燃料用アルコールの製造副産物ですから食品製造副産物ではありません。これ以外のものは、本ガイドラインの食品製造副産物に該当します。なお、動物性油脂を含まない廃食用油(UCオイル)を除き、農林水産大臣の確認を受ける必要があります。
 また、廃食用油については「UC オイルの飼料用油脂の安全性確保のためのガイドライン」(平成16年11 月 全国油脂事業協同組合連合会)が制定されており、これに基づき指導が行われています。
A18 A飼料は、BSEの蔓延防止対策として定めた「反すう動物用飼料への動物由来たん白質の混入防止に関するガイドライン」(平成15年9月16日付け消費・安全局長通知)において「飼料等及びその原料のうち、農家において反すう動物に給与される又はその可能性のあるものとして動物由来たん白質等が混入しないように取り扱われたもの」として定義されたものです。これに対して、B飼料は「A飼料以外のもの」と定義されており、C飼料等はありません。

〔各論-原料の収集、運搬、保管等〕

A19 全般的には、かびの発生及び腐敗の状態を目視及び臭気により確認し、かびの発生及び腐敗が認められるものは原料としないことです。余剰食品については、包装資材を極力除去して下さい。また、調理残さ及び食べ残しについては、分別状況を確認し、不適切なものは収集の対象としないで下さい。
A20 本ガイドラインでは、「食べ残しは、調理残さに比べ有害なものが混入する可能性が高いことから、たばこ等の食品以外の異物の混入がないことを確認し、はし、つまようじ等を除去した後、蓋付きの分別専用容器に収納するなどにより、有害物質を確実に除去できる場合以外は使用しないこと」と規定しています。このことから、食べ残しについて確実な分別が困難な場合には、調理時に調理残さのみを対象とした専用の蓋付きの分別容器に収納することにより分別して下さい。
A21 食品残さ等利用飼料のうち安全性確保上、問題となる可能性が高いものとして調理残さ及び食べ残しが考えられます。これらについては、排出元での異物の分別、迅速な収集、病原微生物対策等を行うことが重要です。異物の分別については、排出元で確実な対応を行うことが最も効果的です。このため、排出元についてはその責任を明確にしています。また、製造業者については、原料受け入れ時の分別、細菌やウィルス等病原微生物汚染対策、排出元での確認等具体的な対応を規定するとともに、排出元との契約を規定することで確実な実施を求めています。さらに、収集業者及び運搬業者に対しても、原料の運搬・保管の規定の遵守を求めるとともに、排出元との契約に参画することとしています。
A22 本ガイドラインでは以下により管理することが明記されています。
  •  排出元での保管期間は極力短くし、迅速に収集する。
  •  運搬に際し、カラス等から隔離及び異物の混入を防止するため、原則として蓋付きの専用容器に入れる。
  •  運搬は、保冷車で行うことが望ましいが、保冷車を用いない場合には、極力移動距離を短くし、腐敗、脂質の酸化等の品質劣化を防止する。
  •  専用容器は、使用後洗浄又は消毒する。
  •  供給先に運搬した原料は、できるだけ早く製造又は使用に供し、一時保管する場合は保冷庫又は冷暗所で保管する。
  •  食べ残しを含む原料については排出から製造又は使用までを迅速に行い、長期保管は行わない。
A23 本ガイドラインでは、原料の運搬・保管に関して「カラス等から隔離及び異物の混入を防止するため、原則として蓋付きの専用容器に入れる。運搬は、保冷車で行うことが望ましいが、保冷車を用いない場合には、極力移動距離を短くし、腐敗、脂質の酸化等の品質劣化を防止しなければならない。専用容器は、使用後洗浄又は消毒する。」と規定しています。収集業者が運搬等を行う場合には、収集業者の方に運搬に関する規定を遵守して頂く必要があります。また、「収集業者が介在する場合には、排出元及び製造業者に対して相互に又は三者で契約を締結する。」ことが規定されていますが、この契約の中で収集業者が責任を持って運搬することを明記して頂くことが重要です。
A24 ハム製造工場、水産加工場等から排出する食品製造副産物は農林水産大臣の確認を受けた事業場以外では、飼料原料として使用することはできません。
 詳しくはこちらをご覧下さい。
A25 大臣確認済みの豚肉骨粉、チキンミール及びフェザーミールについては、「肉骨粉等供給管理票」が添付されていることから、その有無を確認して下さい。また、魚粉は(独)農林水産消費安全技術センターのホームページに大臣確認を受けた事業場の一覧が掲載されていますので、魚粉の表示票に記載されている事業場が該当するかどうか確認して下さい。
 なお、食品残さ等利用飼料以外の大臣確認を受けていないほ乳動物、家禽、魚介類由来たん白質を飼料として用いると、飼料安全法違反になります。
A26 食品製造副産物由来のほ乳動物由来たん白質等が誤って混入しないよう、収集先について、該当する食品製造工場を対象としないことを収集業者との契約で明確にするとともに、排出元に定期的に出向き、このことを確認して下さい。なお、原料又は製品をPCRにより分析し、食品製造副産物由来か調理残さ等由来かを判別することはできません。
A27 このガイドラインは、食品残さ等利用飼料の安全性確保を目的として、従来から適正にリサイクルされている魚粉の制度等も踏まえて作成されており、このガイドラインによりリサイクル魚粉に新たな障壁となるものとは考えていません。
 現在のところ、調理残さ等は供給サイドから活発に利用促進が図られていますが、需要サイドはまだ模様ながめの部分も見受けられます。
 一方、魚粉については、原料不足のため供給が不足しており、需要を満たしていません。分別可能な場合は、魚あらを調理残さと分別して魚粉原料として利用することが、効率的なリサイクルにつながると考えられます。
A28 精肉店から排出される肉の脂身は、飼料原料とする場合に牛のせき柱等が混入していないものとして農林水産大臣の確認を受ける必要があります。このため、食品残さ等利用飼料の原料とすることはできませんが、大臣確認事業場において動物性油脂の原料とすることは可能です。
A29 本ガイドラインでは、「分別の徹底を図り、目視による確認の困難な洗剤等の混入も防止する」ことは調理残さ等の排出元の責任であることを明記しています。一方、収集時の分別について「分別状況を確認し、不適切なものは収集の対象としない」と規定していますが、収集業者がこれらを収集する際には、この確認は収集業者が行うことになります。
A30 本ガイドラインでは、収集時の分別について「分別状況を確認し、不適切なものは収集の対象としない」と規定していますが、収集業者がこれらを収集する際には、収集業者がこの規定を遵守することになります。
A31 余剰食品は包装品が多いことから、包装資材を確実に分別除去することが重要です。このため、本ガイドラインでは原料収集時に「包装資材を極力除去する。」と規定するとともに、原料受け入れ時に「原料収集時に分別できなかった包装資材を分別除去する。」と規定することで、包装資材の分別除去の徹底を図ることとしています。
A32 「病原微生物に汚染されている蓋然性が高い」事例としては、生肉が混入している調理残さ及び食べ残し、院内感染を起こしている病棟や感染症病棟から排出する食べ残し、食中毒の発生したレストラン等の調理残さ及び食べ残し等があります。
A33 目視により病原微生物に汚染されているかどうかを見分けることは困難なことから、排出元の状況を詳細に把握し、病原微生物に汚染される可能性がないもの又はあっても極力可能性の低いものを原料にすることが重要です。
A34 ガイドラインでは、「たばこ等の食品以外の異物の混入がないことを確認し、はし、つまようじ等を除去した後、蓋付きの分別容器に収納する」ことを要件としています。また、「排出元での保管期間は極力短くし、迅速に収集しなければならない。」こと、「運搬は、保冷車で行うことが望ましいが、保冷車を用いない場合には、極力移動距離を短くし、腐敗、脂質の酸化等の品質劣化を防止しなければならない。」こと、「排出から製造又は使用までを迅速に行い、長期保管は行わないこと。」等を義務づけています。
A35 保管状況により、腐敗の進行状況はかなり異なることから、具体的な目安を示すことはできません。冷蔵保管ができない場合には、可能な限り迅速に収集して下さい。
A36 家庭調理残さ及び家庭食べ残しを例外的に利用する場合には、その利用を推進するためのしっかりした管理組織が必要と考えられます。その上で、各家庭で分別の徹底を行って頂き、更にその組織が責任を持って分別状況をモニタリングして確認、記録し、その状況に基づき各家庭を指導して頂きたいと思います。
A37 家庭調理残さ等は事業系のものに比べて多種の異物が混入する可能性が高く、安全性の確保が難しいことから原則として原料としないことが適当と考えられます。しかし、ある地域では食料の有効活用のため、家庭調理残さ等を原料とした飼料で飼育した豚の肉を調理残さを排出した家庭が購入するという模範的なサイクルを確立しています。本ガイドライン作成のための検討会では、このような先進的な取り組みを排除すべきではないという意見が大勢を占め、本ガイドラインの記載となりました。
A38 家庭調理残さ及び家庭食べ残しを例外的に利用する場合には、その利用を推進するためのしっかりした管理組織が必要と考えられます。その上で、各家庭で分別の徹底を行って頂き、更にその組織が責任を持って分別状況をモニタリングして確認、記録し、その状況に基づき各家庭を指導して頂きたいと思います。
A39 家畜用飼料は飼料安全法により厳しく規制され、これにより畜水産物の安全性が確保されています。また、食品は食品衛生法により、人に対する安全性が確保されています。一方、ペットフードは法律に基づく規制はありません。このため、ペットには有害性が低いものでも家畜の飼料としては適さない添加物が添加される等、家畜の飼料に用いると飼料安全法に違反するものもあります。このことから、ペットフードが家畜用飼料に混入することを防止する必要があります。
A40 専用容器の材質、大きさ、形態等は収集するために使用しやすいものを使用して頂いて問題はないと思います。重要なことは、「蓋付きのものを使用すること」と、「収集後は洗浄又は消毒すること」です。また、そのものの形態等の特性により専用蓋付き容器を用いることができない場合にも、同様の管理をすることを基本とし、例えばアルミバン等密閉型の車両により輸送することが必要です。
A41 本ガイドラインでは、「食品残さ等を原料として飼料を製造する業者等は排出元に定期的に出向いて分別の徹底等の遵守状況について確認する。」と規定しています。食品残さ等の利用に際して、分別の徹底等は極めて重要であり、これを万全なものとするためには、飼料製造業者(又は畜産農家)が現場確認を確実に行う必要があります。
A42 排出元での分別状況等が安定するまでの間は、毎月又は隔月程度の間隔で確認をする必要があると考えられます。排出元での分別状況等が安定した時点からは、少なくとも年1回程度の間隔で確認を行って下さい。なお、どこから異物等が混入するかの状況が明確な場合には、間隔を広げることも可能です。また、問題が生じた場合には、これにはかかわらず排出元に出向く必要があります。
A43 本ガイドラインでは、「食品残さ等を原料として飼料を製造する業者等は、契約締結に際して、異物分別等の具体的手法等について排出元に対して必要に応じて教育を行う。」と規定しています。製造業者や収集業者は、排出元に対して異物の分別を単に漠然と要請しても、実効性は乏しいと考えられます。したがって、排出元で想定される異物として何があるかを把握した上で、これを除くための具体的手法のマニュアルを作成し、これを排出元での分別等に直接携わる人に徹底する必要があります。
A44 今後、何らかのかたちで提示したいと考えています。
A45 食品残さ等の利用に際して、排出元での分別の徹底等は極めて重要であり、これを万全なものとする必要があります。このため、排出元との契約においては、具体的な分別手法を規定するとともに、有効なモニタリングの方法を契約に盛り込むことが重要です。
A46 本ガイドラインでは、生残飯の取り扱いとして「生肉等が混入している可能性のあるものは、70℃、30分以上又は80℃、3分以上加熱処理した後に使用する。なお、生肉等が混入している可能性がない場合においても病原微生物汚染を防止する観点から必要に応じて適当な温度で加熱して使用する。」と規定されており、豚コレラ等の蔓延防止の観点で確実な処理をして頂く必要があります。「生残飯は、他の畜産農家と契約を締結している排出元から収集しないこと」という規定は、この加熱が万が一不十分であった場合の影響を感染経路を限定することにより最小限に抑えるとの観点で排出元が経由地にならないために規定したものです。これは、生残飯の排出元に複数の畜産農家が立ち入った場合、このうちの一つの農家で発生した家畜の伝染病が、排出元を経由して他の農家に伝搬する可能性があるからです。
A47 可能であれば全ての容器について確認することが望ましいと考えますが、できない場合には、例えばかび発生の可能性が低いと考えられるものについては、一定頻度で抽出して実施して頂きたいと思います。
A48 飼料のサルモネラ汚染防止対策に万全を期するため、「飼料製造に係るサルモネラのガイドライン」(平成10年6月30日付け農林水産省畜産局流通飼料課長通知)を定めています。このガイドラインは、主として配合飼料工場を対象としたものですが、これを参考に工程等の管理を行って頂きたいと思います。
A49 現在、実際の食品残さ等利用飼料の製造事業場の加熱前後の微生物の動態を調査しており、この結果等を踏まえ、後日、適切な加熱方法、加熱温度、加熱時間等を示したいと考えています。
A50 本ガイドラインでは、「生肉等が混入している可能性がない場合であっても病原微生物汚染を防止する観点から必要に応じて適切な温度で加熱すること。」と規定しています。例えば、液状の飼料に有機酸を加えたり、乳酸発酵によりpHを下げることで、病原微生物汚染防止が確実にできることが確認できる場合などは、必要ありません。
A51 本ガイドラインでは、「加熱方法によっては設定温度と実際の品温が大幅に異なることがあることから、品温のモニタリングを適切に行う等により、加熱条件を満足することとする。」と規定しています。加熱方法によっては、製品内部まで熱が十分に伝わらず、製品全体を設定温度まで加熱できないことがあります。したがって、妥当な機器を用いた妥当な方法により品温を定期的に測定してその記録を残し、加熱条件を満足していることを確認する必要があります。なお、てんぷら方式等明らかに加熱条件を満足しているものについてモニタリングの必要はありません。
A52 適正な保管期間は、原料組成、加熱条件、水分含量等の製造条件及び保管条件を考慮して設定されることから、一律に目安を示すことはできません。このため、製造業者において、自ら製造する製品について、外観、生菌数、大腸菌数、主要成分等を指標とした経時的な変化をモニタリングし、適正な保存期間を設定することが適当と考えます。
A53 A飼料は、「飼料等及びその原料のうち、農家において反すう動物(牛、めん羊、山羊及びしかをいう。)に給与される又はその可能性のあるものとして動物由来たん白質等が混入しないように取り扱われたものをいう。」と定義しており、具体的には、「反すう動物用飼料への動物由来たん白質の混入防止に関するガイドライン」(平成15年9月15日付け15消安第1570号農林水産省消費・安全局長通知)を遵守して、製造等を行って下さい。
A54 飼料添加物に指定されている抗酸化剤は、エトキシキン、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)及びブチルヒドロキシアニソール(BHA)の3品目です。これらは、最終飼料の含有量が、「それぞれの有効成分の合計量で飼料1トン当たり150g以下でなければならない」とされています。また、最終飼料を製造するための原料又は材料に添加する場合には、「それぞれの有効成分の合計の含有率をパーセントで表示する。」必要があります。
 飼料添加物に指定されている防かび剤は、プロピオン酸、プロピオン酸カルシウム及びプロピオン酸ナトリウムの3品目です。これらは、最終飼料の含有量が、プロピオン酸として0.3%以下とされています。また、最終飼料を製造するための原料又は材料に添加する場合には、プロピオン酸として含有率をパーセントで表示する必要があります。また、これらを添加する際には、農林水産省令で定める資格を有する飼料製造管理者を設置するとともに、その旨を農林水産大臣に届け出る必要があります。
 また、調整剤のギ酸は、牛、豚、鶏、うずら用飼料のみに用いることができ、最終飼料の含有量は、0.5%以下とされています。最終飼料を製造するための原料又は材料に添加する場合には含有率をパーセントで表示する必要があります。
 なお、具体的な表示方法は、Q70を参照して下さい。

〔各論-品質管理〕

A55 食品残さ等利用飼料は、本ガイドラインに定義されているように食品製造副産物、余剰食品、調理残さ等様々な排出元から供給され、その原材料、製法も様々であることから、これらの特性を十分把握して品質管理を行い、分析項目、頻度等を選択して下さい。
 一般的に飼料の安全性確保上問題となる分析項目は、飼料安全法、関連通知に定められたかび毒、農薬等の有害物質や病原微生物、家畜等の種類により程度の差があるものの害をおよぼす可能性のある食塩、脂肪の酸化生成物、硝酸態窒素、揮発性塩基性窒素等などが考えられます。
 したがって、食品残さ等利用飼料の特性や給与される家畜等に応じて品質管理項目を選択することになり、例えば脂質を多く含む飼料では脂肪の酸化生成物、穀物ではかび毒、動物質のものが混入する可能性のある飼料では病原微生物、野菜屑の多い飼料では農薬、調理残さでは食塩、かび、病原微生物、異物などの品質管理を行うことが現実的と考えられます。
 なお、A飼料扱いの飼料では、動物由来たん白質の混入を防止するための品質管理が必要です。
A56 食品残さ等利用飼料の安全性に関する分析項目は、本ガイドラインの第3の4の(2)及び(4)に示されており、これらは有害物質、病原微生物、家畜等の特性により害を及ぼす可能性のある物質等ですが、これらを含め注意が必要な物質の例は以下のとおりです。
① 有害物質
 かび毒(アフラトキシンB1、デオキシニバレノール、ゼアラレノン)
 残留農薬(本ガイドラインの第3、4、(4)の別紙「飼料中の残留農薬の基準値」による。)
 重金属(カドミウム、鉛、水銀、ひ素)
 脂肪の酸化生成物(酸価、過酸化物価)
 硝酸塩(硝酸態窒素)
 揮発性塩基性窒素
 ダイオキシン
② 病原微生物
 サルモネラ
 病原性大腸菌
③ A飼料では動物由来たん白質
④ 異物
A57 一般にかび毒、残留農薬等の有害物質の多くは原料そのものに由来するものですが、食品は食品衛生法の管理下にあることから、これらを利用して製造された食品残さ等利用飼料においても問題となるレベルの有害物質が存在するおそれは少ないと考えられます。
 しかし、現実的には有害物質の調理屑への偏在、食品製造による濃縮、輸入食品の使用等による汚染の可能性が否定できないことや高水分状態での長期保管、衛生状態の悪い施設での製造など保管、運搬、製造過程における汚染のおそれも考えられます。これらのことから、製造開始時、原料収集先や製造方法の変更、防虫作業後などに分析を行い、有害物質等の汚染状況の把握に努めるとともに、これらのデータを参考とし、適宜分析を実施することが望ましいと考えられます。
 なお、病原微生物については、食品残さ等利用飼料が製造の過程で加熱処理工程を経ているか否かにより品質管理の内容が異なってきますが、有害物質同様汚染の特性に応じて適宜分析を行い、飼料の病原微生物汚染を防止することが重要です。
A58 食品残さは、一般に水分や脂肪、食塩含量の高いものが多いことや異物混入の可能性があること、不適切な保管、製造等による汚染の拡大や発生が生じる等の特性があります。このため、適切な製造管理の徹底とともに、適切な品質管理も実施する必要があります。こういったことから、原料、製品の特性を十分把握して管理項目や頻度の選定を行うことが合理的かつ経済的であり、必ずしもかび毒、残留農薬等の分析を求めているものではありません。
A59 食品残さ等利用飼料の安全性に関する具体的な品質管理基準は、本ガイドライン第3の4の(4)に示めされており、これらを遵守することが求められます。
 なお、同基準に示す別紙の残留農薬、かび毒、重金属は、食品残さ等利用飼料そのものに適用する基準となっていませんが、これらに記載する基準を参考として下さい。特に、配合飼料の基準は直接家畜等に給与される飼料の基準であることから、給与飼料への食品残さ等利用飼料の配合率を基に基準を超過しないよう品質管理を行う必要があります。
A60 食品残さは、一般に水分や脂肪、食塩含量の高いものが多いことや異物混入の可能性があること、不適切な保管、製造等による汚染の拡大や発生が生じる等の特性があります。このため、適切な製造管理の徹底が最も重要ですが、適切な品質管理も適宜実施する必要があります。こういったことから、原料、製品の特性を十分把握して管理項目や頻度の選定を行うことが合理的かつ経済的です。
 品質管理の頻度については、例えば不慮の混入が想定される異物検査や重大な被害が生じるおそれのある病原微生物の検査などの頻度を高めることなどが考えられます。また、基本的には過去の品質管理結果や各種の情報、寄せられた苦情等を踏まえた対応が求められます。
A61 品質管理は、本ガイドラインの第4の2に規定する飼料品質管理規則において、品質管理に必要な分析項目、分析頻度等を定め、飼料品質管理責任者の責任下で実施されることになります。

〔各論-製品の保管、出荷等〕

A62 本ガイドラインでは、「製品は、カラス等からの隔離又は異物混入を防止するため、紙袋、トランスバック等密閉容器に保管する。」と規定しており、原則として密閉容器に入れた状態でトラック等で輸送して下さい。なお、A飼料に該当するものについては、その輸送に当たり、「反すう動物用飼料への動物由来たん白質の混入防止に関するガイドライン」(平成15年9月16日付け消費・安全局長通知)の規定によるA飼料又は反すう動物用飼料専用である旨を表示した専用の容器を用いて下さい。
A63 食品残さ等利用飼料にほ乳動物に由来するたん白質を含む場合には、豚用又は家きん用以外に出荷してはならないとされていますが、これはBSE蔓延防止対策として行っているものです。このため、このことは確実に遵守される必要があり、製造業者が販売業者に販売する場合にも販売先が豚用又は家きん用として販売することを確認して下さい。また、製品には、
「使用上及び保存上の注意
1 この飼料は、牛、めん羊、山羊、しか及び養殖水産動物には使用しないこと(牛、めん羊、山羊、しか又は養殖水産動物に使用した場合は処罰の対象となるので注意すること。)
2 この飼料は、牛、めん羊、山羊、しか及び養殖水産動物を対象とする飼料(飼料を製造するための原料又は材料を含む。)に混入しないよう保存すること。」
 の文字を表示して頂くことになります。
A64 A飼料は、反すう動物に給与される又は可能性のあるものとして動物由来たん白質が混入しないように取り扱われるものです。このため、畜産農家の庭先までの出荷、輸送、保管の過程でB飼料その他による汚染を防止するための目印として「A飼料」の表示(標識)が必要とされています。このことから、原則的にはA飼料の全てに表示が求められ、未包装の飼料を船積み輸送又はトラックでバラ輸送する場合は、輸送車両等に「A飼料専用」と標識することが必要です。
 なお、この場合でもB飼料等の汚染を避けるため、カバーの使用、他の荷物との区分輸送、専用車による輸送、倉庫での区分蔵置等に十分な注意が求められ、トランスバックにあっては専用化する必要があります。
A65 包装品の表示は、一袋毎に添付、貼付等により表示を付すことが原則ですが、荷口が分割されず、荷送人及び荷受人の双方が事前に合意している等の場合にあっては、当該飼料を輸送する運転手が表示票を携行する等の方法により表示票を添付することができます。なお、この場合に表示票を別便で送付することは好ましくありません。また、回収袋を使用する際、旧表示票が貼付されている場合には、これを抹消する必要があります。
A66 飼料の種類は、飼料の公定規格及び同別表、並びに日本標準飼料成分表に規定又は収載された飼料はその名称を、その他のものはそのものの特性や製法がわかる等の一般的な名称を表示するものとしています。
 飼料の名称は、当該飼料を特定するに足る固有の名称であればよく、商品名等で差し支えありません。なお、飼料の名称には図形、記号等を使用することはできません。また、薬事的効能効果を連想させたり、飼料の価値を誤認させるような名称も用いることはできません。
例 飼料の名称:エコフィード1号、リサイクル2号等 
飼料の種類:とうふかす、パン粉、菓子屑、食品副産物等
A67 食品残さ等利用飼料に飼料添加物の抗酸化剤であるエトキシキン、BHT又はBHA、防かび剤のプロピオン酸を使用した場合の表示は、以下のとおりです。なお、家畜等に直接給与される配合飼料等については、抗酸化剤及び防かび剤の量の表示は要さないこととされていますが、この場合の含有量の上限規制があるので注意して下さい。また、プロピオン酸類はプロピオン酸としての量を表示することから、プロピオン酸塩を使用する場合はプロピオン酸の量に換算する必要があります。
 さらに、ギ酸を使用した場合にもギ酸としての含有率をパーセントで表示して下さい。

含有する飼料添加物の名称及び量
エトキシキン      ○○%
プロピオン酸      ○○%
ギ酸          ○○%

A68 コンピュータ内にデータとして保管することで結構ですが、データのバックアップは定期的に行って下さい。

〔各論-帳簿の記載等〕

A69 製品を製造した場合には、遅滞なく、飼料安全法に定められた次の事項を帳簿に記載しなければなりません。
① 名称
② 数量
③ 製造年月日
④ 製造に用いた原料又は材料の名称及び数量
⑤ 製造に用いた原料又は材料が譲り受けたものであるときは、譲り受けの年月日及び相手方の氏名又は名称
   また、製品を譲り渡したときは、その都度、飼料安全法に定められた次の事項を帳簿に記載しなければなりません。
① 名称
② 数量
③ 年月日
④ 相手方の氏名又は名称
⑤ 荷姿
 なお、これらの事項が記載されていれば、様式の定めはありませんので、各自業務に都合のよい方法で帳簿を作成して頂いて結構です。
A70 農家が飼料の使用時等の帳簿の記載事項は以下のとおりです。このうち、当該飼料を譲り受けた年月日及び相手方の氏名又は名称については、納品書で代替えすることは可能ですが、表示票には必要事項が記載されていないことから追加の記載が必要です。
ア 当該飼料を使用した年月日
イ 当該飼料を使用した場所
ウ 当該飼料を使用した家畜等の種類
エ 当該飼料の名称
オ 当該飼料の使用量
力 当該飼料を譲り受けた年月日及び相手方の氏名又は名称
A71 農家が飼料の使用時等の帳簿の記載事項は以下のとおりです。一覧表にして記載することが適当であり、様式の定めはありませんので、各自業務に都合のよい方法で帳簿を作成して頂いて結構です。なお、当該飼料を譲り受けた年月日及び相手方の氏名又は名称については、納品書で代替えすることは可能です。
ア 当該飼料を使用した年月日
イ 当該飼料を使用した場所
ウ 当該飼料を使用した家畜等の種類
エ 当該飼料の名称
オ 当該飼料の使用量
力 当該飼料を譲り受けた年月日及び相手方の氏名又は名称

〔各論-飼料製造業者届等の提出〕

A72 食品の製造の際に生じる副産物についての飼料製造業者届の提出が必要かどうかは、それを製造する者が当該製造物を「飼料」又は「飼料になり得る物」と認識しているか否かにより判断されます。判断の客観的な基準としては、①副産物に対して飼料に用い易いように乾燥、粉砕等の加工を施していること、又は②飼料取扱業者、農家等に対し、反復継続する意志をもって副産物を販売していることのいずれかを満たし、かつ、当該副産物の取引数量が相当程度ある場合となります。
A73 調理残さ、余剰食品等を収集し、食品残さ等利用飼料を製造する業者に反復継続して販売する行為は、飼料の販売に該当します。このため、この収集業者の方は、飼料販売業者届を提出する必要があります。なお、製造業者に委託されて収集する業者の方は、飼料販売業者届を提出する必要はありません。
A74 レストラン、コンビニ等排出元は、一般に対価を払って調理残さ、余剰食品等の処理を依頼していることから、飼料の製造業者又は飼料の販売業者にあたりません。
A75 飼料製造業者届の受付窓口は、都道府県の畜産課等です。また、飼料製造管理者届の受付窓口は、(独)農林水産消費安全技術センターです。

〔各論-製造等管理体制〕

A76 資格は必要ありませんが、飼料の製造管理又は品質管理に関する経験及び知識があり、実地に飼料の製造又は品質についての管理業務を行って頂く必要があります。
A77 飼料製造管理者が飼料業務管理責任者を兼務することに問題ありません。工場長については、飼料の製造管理に関する経験及び知識があり、実地に飼料の製造の管理業務が遂行できれば兼務することができます。
A78 原則として、別の人が担当すべきです。しかし、事業場の規模が小さく従業員数も少ない場合には、同一人が担当することもやむを得ません。
A79 本ガイドラインでは、「飼料業務管理責任者及び飼料品質管理責任者を設置することが望ましい。」と規定しており、事業場の規模、適格者の有無等から設置が困難な場合には設置しないこともやむを得ません。また、事業場の規模が小さく従業員数も少ない場合には、両責任者を同一人が担当することもやむを得ません。
A80 本ガイドラインでは、排出業者及び収集業者に対する飼料業務管理規則等の制定及び製造業務管理責任者等の設置について触れておらず、現時点では必要ありません。
A81 今後、何らかのかたちで例示を提示したいと考えています。
A82 飼料業務管理規則を定めた上で、飼料の製造管理に関する経験及び知識を有する飼料業務管理者を設置して飼料を製造することがより望ましい製造体制です。しかし、現在の食品残さ等利用飼料の製造事業場は零細なものが多く、現時点で全ての事業場にこの規定を義務づけることは現実的ではないことから、本ガイドラインのような規定となりました。なお、将来的にはガイドラインの定着状況等を勘案し、取り扱い変更も検討したいと思います。
A83 植物性の食品副産物等をA飼料として製造している事業場については、飼料業務管理規則を必ず定める必要があります。また、食肉を含む調理残さ等を原料として食品残さ等利用飼料を製造する事業場についても、受入対策等「反すう動物用飼料への動物由来たん白質の混入防止に関するガイドライン」を遵守すべき部分があり、確実に実行しないと他の事業場への汚染を見過ごすこととなり得ます。このため、管理規則を策定し書面化する必要があります。

〔その他〕

A84 飼料安全法には、「食品添加物を含んではならない」という規定はありません。しかし、「有害な物質を含み又はその疑いがある原料又は材料を用いてはならない」との規定があります。したがって、仮にある食品添加物がある特定の家畜に対して特異的に毒性を示すような事例があれば飼料安全法に抵触する可能性がありますが、一般的には動物試験等で安全性が確認されている食品添加物が食品残さに由来して微量混入することで家畜に毒性を示す可能性は少ないと思われます。
A85 飼料安全法では、飼料添加物を「飼料の品質の低下の防止等3つの用途に供することを目的として飼料に添加等する物で、農林水産大臣が農業資材審議会の意見を聴いて指定するもの」と定義し、必要最少限のものを認めています。したがって、食品添加物に指定されているからといって、自動的に飼料に添加することはできません。ソルビン酸ナトリウムについては、飼料添加物に指定されていないことから、飼料の製造の際用いることは差し控えて下さい。
注 飼料添加物:以下の3つの用途に供することを目的として、農林水産大臣が指定するもので、現在153種のものがあります。
① 飼料の品質低下の防止
② 飼料の栄養成分その他の有効成分の補給
③ 飼料が含有している栄養成分の有効な利用の促進
A86 ローズマリー抽出物のように食品衛生法で食品添加物に指定されている天然由来のものについて、飼料安全法では飼料添加物に指定するという整理をしていません。このため、本ガイドラインでは、「抗酸化剤、防かび剤等の添加物を用いる場合には、飼料添加物を用いなければならない。」と規定していますが、飼料としての使用実績があるローズマリー抽出物のような天然物由来の物を食品残さ等利用飼料に用いることは可能です。このような事例については、農林水産省畜水産安全管理課に問い合わせて下さい。
A87 本ガイドラインで規定する飼料業務管理者は、飼料の製造管理に関する幅広い経験及び知識を有することが望ましいと考えられます。こういった知識を得るための研修の例として、(独)農林水産消費安全技術センターが飼料製造管理者講習会を行っています。
A88 食品残さ等利用飼料を使用する場合には、原料が安定し栄養成分、食塩、硝酸塩等の変動の少ないものを選定することが重要です。また、安定した飼料を使用するためには、これらの分析値を定期的に製造業者から入手することも有効な手段となります。
A89 排出元での対策としては、密閉できる蓋付き容器を使用することが有効と考えられます。なお、食品残さに殺虫剤を散布することは避けなければなりません。
A90 飼料製造管理者の資格は以下のいずれかに該当する必要があります。
① 獣医師又は薬剤師
② 大学等において、薬学、獣医学、畜産学、水産学又は農芸化学の課程を修めて卒業したこと。
③ 飼料又は飼料添加物の製造の業務に3年以上従事し、かつ、(独)農林水産消費安全技術センターで実施する講習会の課程を修了していること。
 なお、③の詳細については、(独)農林水産消費安全技術センター肥飼料安全検査部飼料管理課に問い合わせ下さい。
A91 使用の経験のない飼料の製造等に当たっては、「飼料の安全性評価基準」(昭和63年4月12日付け畜産局長通知)に基づき、その飼料の特性等から必要と考えられる試験を実施して頂いています。試験の実施に際しては、農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課にご相談下さい。

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