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植物に対する害に関する栽培試験の方法(抄)

(昭和59年4月18日付け59農蚕第1943号農林水産省農蚕園芸局長通知)

1.試験容器等
(1)試験容器
 試験容器は内径11.3センチメートル、高さ6.5センチメートルの鉢(ノイバウエルポット)を用い、下記2の(3)のイの各試験区ごとに2連以上とする。
(2)供試肥料等
イ.供試肥料は、肥料取締法第6条の規定に基づき提出する見本肥料と同等品のものとする。
ロ.対象肥料は、供試肥料と原料、生産工程、保証成分量等が類似している普通肥料(仮登録肥料及び指定配合肥料を除く。)を選定するものとする。
 ただし、供試肥料が無機質肥料である場合には、硫酸アンモニア、過りん酸石灰又は塩化加里を用いてもよい。
(3)供試土壌
 供試土壌は、土性が壌土又は砂壌土の沖積土又は洪積土とする。
(4)供試作物
 供試作物は、原則としてこまつなとする。
2.試験の手順
(1)土壌の調製
イ.土壌の充てん
 供試土壌の試験容器中への充てんは、2ミリメートルの目のふるいを通した風乾土を用い、試験容器当たりの充てん量が約500ミリリットルとなるように行う。
ロ.土壌水分
 試験容器中における土壌の水分は、水を加えて最大容水量の50~60パーセントとなるようにする。
注)最大容水量は100ミリリットルのメスシリンダーに直径約110ミリメートルの筋目のあるロートを乗せ、これに水で湿した直径約185ミリメートルで3種又は2種のろ紙を置き、ろ紙の中に乾土(風乾土を摂氏100度で5時間乾燥した土壌)100グラムを入れ、土壌表面から100ミリリットルの水を静かに注ぎ、ろ液の滴下終了を確認後、その滴下水量から求めた土壌に保持された水量のことである。
(2)肥料の調製
 供試肥料及び対照肥料は、それぞれ粉砕して1ミリメートルの目のふるいを通す。ただし、水分の多い肥料等でこの調製が困難な場合には、できるだけ細かく砕き、均質化する。
(3)肥料の施用
イ.施肥の設計(試験区)
(イ)試験区は、供試肥料及び対照肥料を用いた標準量施用区、2倍量施用区、3倍量施用区及び4倍量施用区並びに標準区を設ける。
(ロ)供試肥料における試験区
① 供試肥料が窒素質肥料、りん酸質肥料、加里質肥料又は複合肥料の場合の標準量施用区の試験容器当たりの施用量(標準施用量)は、試験容器当たり、窒素質肥料又は窒素成分を保証した複合肥料ではNとして100ミリグラム、りん酸質肥料又は窒素成分を保証しない複合肥料ではPとして100ミリグラム(りん酸吸収係数の高い土壌であるため、りん酸の施用量が不足するおそれのある場合には、100~200ミリグラム。以下同じ。)、加里質肥料ではKOとして100ミリグラムとなる量として、この施用量を基準として、標準量施用区、2倍量施用区、3倍量施用区、4倍量施用区を設ける。
 この場合、N、P又はKOとして、試験容器当たり100ミリグラムに満たない成分があるときには、当該成分について、試験容器当たり100ミリグラムの量になるように硫酸アンモニア、過りん酸石灰又は塩化加里を施用する。
② 供試肥料が有機質肥料の場合の標準施用量は、試験容器当たり、Nとして100ミリグラム(乾物当たりの窒素成分量が2パーセント以下のものにあっては、肥料の乾物換算重量で5グラム)となる量とし、この施用量を基準として、標準施用区、2倍量施用区、3倍量施用区及び4倍量施用区を設ける。
 これらの場合、すべての試験区について、N、P又はKOとしてそれぞれ試験容器当り25ミリグラム(Pについては、りん酸吸収係数の高い土壌であるため、りん酸の施用量が不足するおそれのある場合には25~50ミリグラム。(ニ)において同じ。)に相当する硫酸アンモニア、過りん酸石灰又は塩化加里を施用する。
③ 供試肥料が窒素、りん酸及び加里のいずれの成分も保証しない普通肥料の場合の標準施用量は、その保証する主要な成分の通常の施用量から定めることとし、①に準じて各試験区を設ける。
 ただし、当該供試肥料がアルカリ分を保証するものの場合の標準施用量は、試験容器当たり、アルカリ分として0.5グラム(供試土壌が火山灰土壌等の強酸性土壌にあっては1グラム)となる量とし、この施用量を基準として、標準施用区、2倍量施用区、3倍量施用区及び4倍量施用区を設ける。
 これらの場合、すべての試験区について、N、P又はKOとしてそれぞれ試験容器当たり100ミリグラムに相当する硫酸アンモニア、過りん酸石灰又は塩化加里を施用する。
(ハ)対照肥料における試験区
 対照肥料を用いた試験区は、供試肥料を用いたものに準じて設ける。
(ニ)標準区
標準区は、N、P及びKOとして、それぞれ試験容器当たり25ミリグラムに相当する硫酸アンモニア、過りん酸石灰又は塩化加里を施用した試験区とする。
ロ.施肥の方法
 肥料は、試験容器全体の土壌と均一となるようよく混合して施用する。
(4)作物のは種
イ.は種量
 は種量は、試験容器当たり20粒又は25粒とする。
ロ.は種方法
 は種は、種子が等間隔となるようます目状にピンセット等を用いて行い、は種後、風乾土壌で種子が隠れる程度に覆う。
(5)栽培管理
イ.水分管理
 試験期間中における土壌の水分は、試験開始後約10日間は2の(1)のロの土壌水分調整後の水分状態をたもつよう減水分を補給し、その後は作物の生育に応じて適宜給水する。
ロ.温度管理
 試験期間中における栽培温度は、原則として摂氏15度から25度までの範囲内に保つものとする。
ハ.栽培期間
 栽培期間は、原則として、は種後3週間とする。
3.調査の内容
  調査は、別表の調査項目について行う。
別表
調査対象 調 査 項 目
供試土壌 イ.土性 ロ.土壌(沖積土、洪積土の別) ハ.水素イオン濃度(pH) ニ.交換(置換)酸度 ホ.電気伝導率 ヘ.塩基置換容量 ト.容積重 チ.最大容水量
跡地土壌 イ.水素イオン濃度(pH) ロ.電気伝導率 ハ.アンモニア性窒素 ニ.硝酸性窒素
供試作物 イ.発芽調査 発芽率
ロ.生育調査 (イ)葉長
(ロ)試験終了時の生体重
ハ.生育状態 異常症状の有無等
備考
1.水素イオン濃度及び電気伝導率の測定用溶液は、土壌10グラムを50ミリリットルの水で振とうしたろ液とする。
2.跡地土壌の調査は、生育状態に異常が観察された場合に行う。
3.供試作物については、発芽後5~7日及び試験終了時のカラー写真を撮つておく。
試験成績取りまとめ様式1
試験成績取りまとめ様式2

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