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と畜場から排出される汚泥の肥料利用について

21消安第8798号
平成22年1月4日

(改正 27消安第3594号 平成27年10月 1日)

        殿

農林水産省消費・安全局長

と畜場から排出される汚泥の肥料利用について

 と畜場から排出される汚泥(以下「汚泥」という。)を原料とした肥料(乾燥菌体肥料を含む。以下「汚泥肥料」という。)については、「と畜場から排出される汚泥の肥料利用について」(平成16年3月26日付け15消安第7214号農林水産省消費・安全局長通知。以下「肥料利用通知」という。)において、「早急に科学的データを収集した上で、肥料として利用した場合における牛海綿状脳症の牛への伝達リスクを科学的に評価し、リスク評価の結果に基づく取扱いを決定する」こととし、それまでの間は、「誤用防止措置を徹底することを前提として、と畜場から排出される汚泥を原料とする肥料の製造又は工場からの出荷を妨げない」(誤用防止措置:放牧地等への施用の結果として生じる非意図的な家畜の摂食を防止するための措置)とする取扱いをしてきたところである。

 この取扱いは、汚泥を肥料として利用した場合のリスク評価が行われておらず、リスクが不明な中で、非意図的な家畜の摂食を防止するために講じているものである。しかしながら、実際の運用においては、販売先の追跡調査が困難であったり、販売先の情報の伝達経路が複雑なため当該肥料を使う農家を特定するまでに時間を要するといった問題が生じていたところである。

 そこで、汚泥肥料の施用において、非意図的な家畜の摂食の防止を徹底するため、改めて下記の措置を講ずることとするので、御了知の上、貴管下関係者に対して周知徹底を図られたい。これに伴い、肥料利用通知は、廃止する。

 また、今回の措置を実効性のあるものとし、かつ、汚泥及び汚泥肥料の流通実態を把握するため、汚泥を肥料の原料として出荷すると畜場の設置者又は管理者(汚泥肥料の生産業者を除く。)に対し、「と畜場から排出される汚泥の流通実態調査への協力依頼について」(平成22年1月4日付け21消安第8799号農林水産省消費・安全局長通知。以下「実態調査通知」という。)により、別途調査を行うことを御了知願いたい。

 なお、肥料利用通知が発出された当時から比較すると牛海綿状脳症の患畜数が減少するとともに、ピッシング処理を行う施設が無くなる等、と畜場の処理工程が改善され、リスク評価に必要な情報を収集できる状況になってきたところである。こうした現状を踏まえ、今後、実態に即した科学的知見を収集し、それをもとにリスク評価を行った上でリスク管理措置を講ずることとしている。今回の措置は、それまでの応急的措置であることに御留意願いたい。

第1 汚泥肥料の生産業者(汚泥肥料を生産すると畜場の設置者又は管理者を含む。以下同じ。)が実施すべき措置
1 汚泥肥料の生産業者は、次に掲げる措置を講ずることとする。
(1)帳簿の管理等
汚泥又は汚泥肥料を引き受け、又は引き渡したときは、各月ごとに、以下の項目を別記様式第1号に記載し、2年間保存すること。
①汚泥又は汚泥肥料を引き受けた場合
ア 引受年月日
イ 引受元の事業者名
ウ 引受元の事業者の住所及び電話番号
エ 汚泥肥料にあっては、その名称及び登録番号
オ 引受時の形態
カ 引受量
②汚泥肥料を引き渡した場合
ア 引渡年月日
イ 引渡先の事業者
ウ 引渡先の事業者の住所及び電話番号
エ 汚泥肥料の名称及び登録番号
オ 引渡量
カ 引渡先が農家の場合にあっては、牛の放牧地、採草地及び牛の飼料に用いられる作物を生産している飼料畑等(以下「放牧地等」という。)の所有の有無
(2)引受元及び引渡先等に関する報告
(1)により記載した帳簿の写しを、翌月の10日までに、別紙に基づき、その所在地を所管する地方農政局長(北海道にあっては北海道農政事務所長、沖縄県にあっては沖縄総合事務局長をいう。以下同じ。)に提出すること。
(3)引受元及び引渡先に対する説明及び承諾
①汚泥又は汚泥肥料の引受け又は引渡しにあたり、
ア (2)により帳簿の写しを地方農政局長に提出すること
イ その際、当該汚泥又は汚泥肥料の引受元又は引渡先に関する個別の情報については、意図しないにもかかわらず家畜が摂食することを防止する措置(以下「摂食防止措置」という。)の徹底に必要な流通実態の把握のみを目的として使用し、公開しないことを説明した上で、当該引受元及び引渡先の承諾を得ること。
②汚泥肥料を引き渡す場合は、引渡先に対して、汚泥肥料の施用について、確認書(別記様式2号)の各項目の内容を説明するとともに、引渡先から当該確認書の提出を受け、(2)の帳簿の写しとともに地方農政局長に提出すること。
(4)汚泥肥料の生産業者は、昭和59年3月16日農林水産省告示第701号(肥料取締法施行規則第19条の2第1項の規定に基づき表示を要する普通肥料及びその表示事項を定める件)に基づき、当該肥料の容器又は包装に、家畜等の口に入らないところで保管・使用する旨の表示をすること。
2 地方農政局長は、1の(2)及び(3)の②の提出を受けたときには、その写しを農林水産省消費・安全局長(以下「消費・安全局長」という。)及び独立行政法人農林水産消費安全技術センター(以下「センター」という。)に送付する。
3 センターは、汚泥肥料の生産業者の事業場等に立入検査を行った際に、肥料取締法施行規則(昭和25年農林省令第64号)第19条の2の規定に基づき、1の(4)の表示が適正になされているか確認し、表示の徹底を図ることとする。

第2 汚泥肥料の販売業者が実施すべき措置
1 肥料の販売業者は、次に掲げる措置を講ずることとする。
(1)帳簿の管理等
汚泥肥料を引き受け、又は引き渡したときは、各月ごとに、以下の項目を別記様式3号に記載し、2年間保存すること。
①汚泥又は汚泥肥料を引き受けた場合
ア 引受年月日
イ 引受元の事業者名
ウ 引受元の事業者の住所及び電話番号
エ 汚泥肥料の名称及び登録番号
オ 引受量
②汚泥肥料を引き渡した場合
ア 引渡年月日
イ 引渡先の事業者
ウ 引渡先の事業者の住所及び電話番号
エ 汚泥肥料の名称及び登録番号
オ 引渡量
カ 引渡先が農家の場合にあたっては、放牧地等の所有の有無
(2)引受元及び引渡先等に関する報告
(1)により記載した帳簿の写しを、翌月の10日までに、その所在地を所管する都道府県知事(以下「知事」という。)に提出すること。
(3)引受元及び引渡先に対する説明及び承諾
①汚泥又は汚泥肥料の引受け又は引渡しにあたり、
ア (2)により帳簿の写しを知事に提出すること
イ その際、当該汚泥肥料の引受元又は引渡先に関する個別の情報については、摂食防止措置の徹底に必要な流通実態の把握のみを目的として使用し、公開しないことを説明した上で、当該引受元及び引渡先の承諾を得ること。
②汚泥肥料を引き渡す場合は、引渡先に対して、汚泥肥料の施用について、確認書(別記様式2号)の各項目の内容を説明するとともに、引渡先から当該確認書の提出を受け、(2)の帳簿の写しとともに知事に提出すること。
2 知事は、1の(2)及び(3)の②の提出を受けたときは、その写しを当該都道府県の区域を所管する地方農政局長に送付すること。また、当該地方農政局長は、その送付を受けたときは、その写しを消費・安全局長に送付すること。

第3 汚泥肥料を引き受けた農家が実施すべき措置
1  汚泥肥料を引き受けた農家は、以下の措置を講じることとする。
(1)汚泥肥料の保管に当たっては、家畜等の口に入らないところに保管すること。
(2)汚泥肥料を施用する場合は、放牧地等に施用しないこと。
2 国及び都道府県による施用指導
(1)地方農政局長は、第1の1の(2)若しくは第2の2により帳簿の提出を受け、又は実態調査通知の記の1により回答(以下「引渡先帳簿等」という。)を受けたとき(他の地方農政局長から②による送付を受けた場合を含む。)は、以下のとおり対応する。
①汚泥又は汚泥肥料を引き受けた者の所在地が所管内にある場合は、汚泥又は汚泥肥料を引き受けた者の所在地を管轄する知事に引渡先帳簿等の写しを送付すること。
②汚泥又は汚泥肥料を引き受けた者の所在地が所管外にある場合は、汚泥又は汚泥肥料を引き受けた者の所在地を管轄する地方農政局長に当該者の引渡先帳簿等の写しを送付すること。
(2)地方農政局長は、その職員に、以下のとおり対応させることとする。
①汚泥肥料を引き受けた農家について、当該肥料の施用に係る農作物及び施用方法並びに牛の飼養の有無を把握するとともに、把握した情報を当該農家の所在地を所管する知事に提供すること
②農業協同組合等と連携し、研修会等の場の活用等により、当該汚泥又は汚泥肥料を引き受けた農家に対し、汚泥肥料を放牧地等に施用しないよう指導すること。
(3)(1)の①の写し及び(2)の①の情報提供を受けた知事は、汚泥又は汚泥肥料を引き受けた者が牛を飼養している場合にあっては、その職員に、当該汚泥又は汚泥肥料を引き受けた者が当該汚泥又は汚泥肥料を放牧地等に施用しないことについて個別に確認させ、施用方法に問題がある場合は適切に施用するよう指導させるとともに、指導内容について地方農政局長に報告すること。また、報告を受けた地方農政局長はその内容を消費・安全局長に報告すること。

第4 牛海綿状脳症の患畜由来の汚泥肥料が施用されないための措置
消費・安全局長は、と畜場において牛海綿状脳症の患畜が確認されたときは、当該と畜場の設置者又は管理者に対し、と畜場ごとに別に定める期間、汚泥が肥料の原料として利用されることのないよう要請するとともに、当該と畜場から汚泥を受け入れ、又は受け入れるおそれのある汚泥肥料の生産業者に対し、当該と畜場において牛海綿状脳症の患畜が確認されたことを通知することとする。

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