農薬登録のしくみと登録審査

「農薬取締法」は、農薬について登録の制度を設け、販売及び使用の規制等を行うことにより、農薬の安全性その他の品質及びその安全かつ適正な使用の確保を図り、もって農業生産の安定と国民の健康の保護に資するとともに、国民の生活環境の保全に寄与することを目的として定められています。
農薬取締法による農薬の安全性確保のしくみ
農薬は、品質や安全性が確保され適切に使用されないと、環境や人に悪影響を及ぼすおそれがあります。
このため、農薬を登録するに当たっては、使用時の安全性や農薬としての効果はもちろんのこと、①農薬を使用して栽培された作物又はそれら作物を飼料の用に供して生産された畜産物を摂取する人への安全性については残留農薬基準、②環境への影響に関しては水質汚濁、土壌、水産動植物への被害防止に係る登録保留基準に抵触しないことが必要であり、これら基準に照らして使用基準(使用方法、回数、時期)を設定する必要があります。

登録審査
FAMICでは、農林水産大臣の指示に基づき、申請者から提出された申請書や各種試験データについて、薬効・薬害のほか、厚生労働省が食品安全委員会の毒性評価結果に基づいて定める残留農薬基準及び環境省が定める登録保留基準に抵触しないかなど、作物等への残留性等安全性の面から、使用範囲、使用方法及び使用上の注意等を審査するとともに、必要に応じ見本品の品質の検査を行い、その結果を農林水産大臣に報告します。

登録申請の受付

申請書類及び添付試験成績資料(一式)
登録審査の事項及び主な試験成績
- 人・家畜等への安全性
(急性毒性、慢性毒性、繁殖影響、解毒・救命処置等) - 農作物等への残留性
(農作物・飼料作物・家畜への残留) - 水産動植物等有用動植物への影響
(魚類急性毒性、藻類生長阻害、ミツバチ影響等) - 土壌・水環境への影響
(土壌残留、後作物への残留、水質汚濁、環境中予測濃度等) - 薬効・薬害
(病害虫等への薬効、農作物への薬害) - 原体混在物の安全性
(有害混在物) - 有効成分・製剤の物理的化学的性状
(水溶解度、土壌吸着性、水中光分解性等)

走査電子顕微鏡を用いた天敵農薬の検査

ヒメコバチの触角