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平成22年度の有害物質のモニタリング検査結果について

1 かび毒

 有害物質の指導基準が設定されているアフラトキシンB1、デオキシニバレノール及びゼアラレノンを始めとする18成分について、配混合飼料2,558点及び36種類の飼料原料3,117点のモニタリングを実施した。
 そのうち主なかび毒のモニタリング結果は、以下のとおりであった。

1) アフラトキシンB1

 配合飼料は257点実施し、最大値は成鶏飼育用で0.02 ppmであり、基準値(幼令期用及び乳用牛用0.01 ppm、その他の家畜等用0.02 ppm)を超えるものはなかった。
 原料は271点実施し、とうもろこし及びその副産原料、大豆油かす、やし油かす、綿実、ビールかす、キャッサバから検出されており、各原料の最大値はコーンコブミール(0.055 ppm、タイ産)、とうもろこし(0.031 ppm、米国産)、ヤシ油かす(0.036 ppm、フィリピン産)、コーングルテンミール(0.03 ppm、国産)、コーングルテンフィード(0.013 ppm、国産)、大豆油かす(0.007 ppm、インド産)、綿実(0.004 ppm、米国産)、DDGS(0.001 ppm、米国産)、ビールかす(0.0004 ppmベトナム産)であった。

2) デオキシニバレノール

 配合飼料は214点実施し、最大値は乳用牛飼育用で2.2 ppmであり、基準値(生後3ヶ月以上の牛用4 ppm(10月6日以降は5 ppm)、その他の家畜等用1 ppm(10月6日以降は鶏用3 ppm、その他の家畜等(3ヶ月以上の牛及び鶏を除く)用1 ppm))を超えるものはなかった。
 原料は298点実施し、主にとうもろこし、麦類及びこれらの副産原料、なたね油かす、大豆油かす、米ぬか、菓子くずから検出されており、各原料の最大値は、とうもろこし(3.6 ppm、米国産)、小麦(1.9 ppm、国産)、大麦(0.07 ppm、ウクライナ産)、コーングルテンフィード(7.2 ppm、国産)、コーングルテンミール(0.71 ppm、国産)、とうもろこしジスチラーズグレインソリュブル(8.4 ppm、米国産)、ふすま(0.62 ppm、国産)、なたね油かす(0.02 ppm、国産)、大豆油かす(1.1 ppm、インド産)、米ぬか(0.05 ppm、国産)、菓子くず(0.18 ppm、国産)であった。

3) ゼアラレノン

 配合飼料は208点実施し、最大値はブロイラー肥育前期用配合飼料で0.35 ppmであり、基準値1 ppmを超えるものはなかった。
 原料は261点実施し、主にとうもろこし、麦類及びこれらの副産原料、大豆油かす、米ぬか、ビールかす、ごま油かす、ビートパルプから検出されており、最大値は、コーングルテンミール(6.4 ppm、国産)であった。

2 重金属

 有害物質の指導基準が設定されているカドミウム、鉛、ひ素及び水銀について配混合飼料470点、魚粉94点、肉骨粉等54点及び稲わら12点のモニタリングを実施した。

1) カドミウム

 配合飼料は153点実施し、最大値は成鶏飼育用で0.3 ppmであり、基準値1 ppmを超えるものはなかった。
 原料は魚粉32点実施し、最大値2.2 ppm(国産)、肉骨粉等18点実施し、最大値0.26 ppm(国産)であり、基準値3 ppmを超えるものはなかった。

2) 鉛

 配合飼料は153点実施し、最大値は成鶏飼育用配合飼料の1.0 ppmであり、基準値3.0 ppmを超えるものはなかった。
 原料は魚粉32点実施し、最大値1.5 ppm(国産)、肉骨粉等18点実施し、最大値0.6 ppm(国産)であり、基準値7.5 ppmを超えるものはなかった。

3) 水銀

 配合飼料は149点実施し、最大値は成鶏飼育用の0.21 ppmであり、基準値0.4 ppmを超えるものはなかった。
 原料は魚粉30点実施し、最大値0.92 ppm(国産)、肉骨粉等18点実施し、最大値0.25 ppm(国産)であり、基準値1 ppmを超えるものはなかった。

4) ひ素

 配合飼料は15点実施し、最大値は子豚育成用の0.26 ppmであり、基準値2 ppmを超えるものはなかった。
 原料は稲わら3点実施し、最大値4.6 ppm(中国産)で、基準値7 ppmを超えるものはなかった。

3 農薬

 省令で基準が設定されている成分を含む139成分について63,262点のモニタリングを実施した。
 そのうち主に検出された農薬のモニタリング結果は、以下のとおりであった。基準値を超えたものは、BHC 1点(古畳わら)、DDT 1点(古畳わら)、エンドリン 1点(古畳わら)、ディルドリン 1点(古畳わら)、ペンディメタリン1点(アルファルファ)であった。基準が設定されていない成分については問題はなかった。
 配合飼料は132成分について31,614点実施し、検出された農薬は11成分78点であった。成分別の検出数(最大値)は、ピリミホスメチル点37点(230 ppb)、クロルピリホスメチル17点(230 ppb)、マラチオン6点(220 ppb)、フェニトロチオン5点(34 ppb)、クロルピリホス3点(140 ppb)、EPN3点(41 ppb)、シハロトリン2点(29 ppb)、ピリプロキシフェン2点(250 ppb)、アセフェート1点(55 ppb)、ビフェントリン1点(24 ppb)及びペルメトリン1点(100 ppb)であった。
 原料は135成分について31,648点実施し、検出された農薬は24成分65点であった。成分別の検出数(種類、産地、最大値)は、マラチオン14点(ふすま、国産、170 ppb)、クロルピリホスメチル9点(ふすま、国産、2,200 ppb)、BHC 5点(古畳わら、国産、470 ppb)、DDT 5点(古畳わら、国産、1,600 ppb)、エンドリン5点(古畳わら、国産、38 ppb)、ディルドリン5点(古畳わら、国産、920 ppb)、リンデン5点(古畳わら、国産、160 ppb)、エディフェンフォス3点(キャッサバ、タイ産、50 ppb)、ピリミホスメチル2点(ビールかす、ベトナム産、62 ppb)、アトラジン2点(スーダングラス、米国産、52 ppb)、クロルデン1点(古畳わら、国産、9 ppb)ジメトエート1点(アルファルファ、米国産、96 ppb)、トリフルラリン1点(スーダングラス、米国産、36 ppb)、ビフェントリン1点(スーダングラス、米国産、120 ppb)、フェニトロチオン1点(ふすま、国産、420 ppb)、フルシトリネート1点(大豆油かす、インド産、48 ppb)、フルトラニル1点(脱脂ぬか、国産、25 ppb)、プロピコナゾール1点(フェスク、米国産、1,800 ppb)、ヘキサクロロベンゼン1点(古畳わら、国産、2 ppb)、ペンディメタリン1点(アルファルファ、米国産、440 ppb)であった。

4 その他

1) 硝酸態窒素

 乾牧草についてスーダングラス9点、アルファルファ8点、クレイングラス1点の18点モニタリングを実施した。最大値はスーダングラス(米国産)で1,000 ppm、アルファルファ(米国産)で860 ppm、クレイングラス(米国産)で59 ppmであった。

2) マラカイトグリーン及びロイコマラカイトグリーン

 それぞれ魚粉27点実施し、検出されたものはなかった。

 各項目における点数は、分析を実施したサンプル数ではなく、分析を実施したのべ成分点数である。

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