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平成28年度の有害物質のモニタリング検査結果について(平成28年4月~平成29年3月)

1 かび毒

 有害物質の指導基準又は管理基準が設定されているアフラトキシンB1、デオキシニバレノール、ゼアラレノンを始めとする28成分について、配混合飼料及び26種類の飼料原料のモニタリングを実施した。
 そのうち主なかび毒のモニタリング結果は、以下のとおりであった。

1) アフラトキシンB1

 配合飼料は179点実施し、最大値は子豚育成用配合飼料0.02 mg/kgであり、指導基準値(配合飼料(乳用牛用)0.01 mg/kg)及び管理基準値(配合飼料(牛用(ほ乳期子牛用及び乳用牛用を除く)、豚用(ほ乳期子豚用を除く)、鶏用(幼すう用及びブロイラー前期用を除く)、うずら用)0.02 mg/kg、配合飼料(ほ乳期子牛用、ほ乳期子豚用、幼すう用、ブロイラー前期用)0.01 mg/kg)を超えるものはなかった。
 原料は152点実施し、とうもろこし、大豆油かすから検出されており、それらの最大値は、とうもろこし(0.037 mg/kg、ブラジル産)、大豆油かす(0.002 mg/kg、国産)であった。ブラジル産とうもろこしが管理基準値(とうもろこし0.02 mg/kg)を超えて検出された事例が1件あった。

2) デオキシニバレノール

 配合飼料は179点実施し、最大値は牛数種用飼料(ほ乳期子牛用、乳用牛用を含まないもの)で0.85 mg/kgであり、管理基準値(生後3ヶ月以上の牛用4 mg/kg、その他の家畜等用1 mg/kg)を超えるものはなかった。
 原料は177点実施し、主にとうもろこし、麦類及びそれらの副産原料、マイロ、玄米、あわぬか、米ぬか油かす、大豆油かす、なたね油かすから検出されており、主な原料の最大値は、とうもろこし(0.97 mg/kg、米国産)、コーングルテンフィード(4.3 mg/kg、中国産)、とうもろこしジスチラーズグレインソリュブル(1.1 mg/kg、米国産)、マイロ(0.22 mg/kg、米国産)、玄米(0.016 mg/kg、国産)、小麦(2.9 mg/kg、国産)、大麦(0.022 mg/kg、ロシア産)、圧ぺん大麦(0.055 mg/kg、オーストラリア産)、末粉(0.15 mg/kg、国産)、ふすま(1.3 mg/kg、国産)、小麦粉(0.34 mg/kg、国産)、あわぬか(0.024 mg/kg、インド産)、米ぬか油かす(0.021 mg/kg、国産)、大豆油かす(0.22 mg/kg、中国産)、なたね油かす(0.34 mg/kg、国産)であった。

3) ゼアラレノン

 配合飼料は179点実施し、最大値は子豚育成用配合飼料で0.33 mg/kgであり、管理基準値1 mg/kgを超えるものはなかった。
 原料は147点実施し、主にとうもろこし、麦類及び副産原料、マイロ、玄米、米ぬか油かす、大豆油かす、加糖加熱大豆油かす、綿実、ビートパルプから検出されており、主な原料の最大値は、とうもろこし(0.15 mg/kg、米国産)、マイロ(0.5 mg/kg、米国産)、玄米(0.006 mg/kg、国産)、小麦(0.054 mg/kg、国産)、大麦(0.002 mg/kg、ロシア産)、圧ぺん大麦(0.0007 mg/kg、オーストラリア産)、ふすま(0.019 mg/kg、国産)、小麦粉(0.05 mg/kg、国産)、米ぬか油かす(0.012 mg/kg、国産)、大豆油かす(0.06 mg/kg、中国産)、加糖加熱大豆油かす(0.005 mg/kg、米国産)、綿実(0.015 mg/kg、オーストラリア産)、ビートパルプ(0.029 mg/kg、チリ産)であった。

2 重金属

 有害物質の管理基準が設定されているカドミウム、鉛、ひ素及び水銀について配混合飼料及び魚粉等のモニタリングを実施した。

1) カドミウム

 配合飼料は93点実施し、最大値は成鶏飼育用配合飼料の0.21 mg/kgであり、管理基準値1 mg/kgを超えるものはなかった。
 原料は魚粉等34点実施し、最大値は魚粉の2.3 mg/kg(国産)であり、管理基準値3 mg/kgを超えるものはなかった。

2) 鉛

 配合飼料は93点実施し、最大値は成鶏飼育用配合飼料の1.3 mg/kgであり、管理基準値3 mg/kgを超えるものはなかった。
 原料は魚粉等34点実施し、最大値は魚粉の4.7 mg/kg(国産)であり、管理基準値7 mg/kgを超えるものはなかった。

3) ひ素

 配合飼料は19点実施し、最大値は中すう育成用配合飼料の0.58 mg/kgであり、管理基準値2 mg/kgを超えるものはなかった。
 原料は魚粉等22点実施し、最大値は魚粉の6.6 mg/kg(国産)であり、管理基準値15 mg/kgを超えるものはなかった。

4) 水銀

 配合飼料は91点実施し、最大値はほ乳期子牛育成用配合飼料の0.11 mg/kgであり、管理基準値0.4 mg/kgを超えるものはなかった。
 原料は魚粉等33点実施し、最大値は魚粉の0.67 mg/kg(国産)であり、管理基準値1 mg/kgを超えるものはなかった。

3 農薬

 省令で基準が設定されている成分を含む130成分についてモニタリングを実施した。そのうち主に検出された農薬のモニタリング結果は、以下のとおりであった。
 基準値を超えたものはなかった。また、基準が設定されていない成分については家畜に影響を及ぼしたり、畜産物に残留する可能性がある濃度を超えるものはなかった。
 配合飼料は124成分について実施し、検出された農薬は8成分78点であった。成分別の検出数(最大値)は、クロルピリホス3点(72 μg/kg)、クロルピリホスメチル17点(340 μg/kg)、クロルプロファム1点(24 μg/kg)、デルタメトリン及びトラロメトリン3点(170 μg/kg)、ビフェントリン7点(62 μg/kg)、ピリミホスメチル38点(560 μg/kg)、フェニトロチオン6点(41 μg/kg)、マラチオン3点(140 μg/kg)であった。
 原料は130成分について実施し、検出された農薬は18成分73点であった。成分別の検出数(種類、産地、最大値)は、2,4-D 1点(とうもろこし、米国産、4 μg/kg)、EPN 1点(とうもろこしジスチラーズグレインソリュブル、米国産、74 μg/kg)、アトラジン1点(マイロ、米国産、21 μg/kg)、イソプロチオラン1点(米ぬか、国産、49 μg/kg)、グリホサート15点(大豆油かす、中国産、3,640 μg/kg)、グルホシネート13点(大豆油かす、中国産、273 μg/kg)、クロルピリホス1点(マイロ、アルゼンチン産、220 μg/kg)、クロルピリホスメチル15点(マイロ、アルゼンチン産、200 μg/kg)、シハロトリン2点(アルファルファ、米国産、410 μg/kg)、デルタメトリン及びトラロメトリン1点(ふすま、国産、36 μg/kg)、ビフェントリン1点(フェスク、米国産、25 μg/kg)、ピリミホスメチル8点(小麦グルテン酵素分解物、イタリア産、900 μg/kg)、フェニトロチオン1点(とうもろこし、ブラジル産、62 μg/kg)、フェノトリン1点(ふすま、国産、27 μg/kg)、プロパニル1点(アルファルファ、米国産、39 μg/kg)、プロピコナゾール1点(フェスク、米国産、310 μg/kg)、ペンディメタリン1点(チモシー、米国産、54 μg/kg)、マラチオン8点(ふすま、国産、130 μg/kg)、メトミノストロビン1点(米ぬか油かす、国産、38 μg/kg)であった。

4 その他

1) 硝酸態窒素

 乾牧草についてアルファルファ6点及びスーダングラス4点のモニタリングを実施した。最大値は800 mg/kg(アルファルファ、米国産)であった。

2) ヒスタミン

 魚粉11点実施し、最大値は740 mg/kgであった。

3) メラミン

 配合飼料15点、魚粉9点実施し、最大値はまだい育成用配合飼料で0.13 mg/kgで、管理基準値 2.5 mg/kg を超えるものはなかった。

 各項目における点数は、分析を実施したサンプル数ではなく、分析を実施したのべ成分点数である。
 なお、成分ごとの検査件数、検出件数、最大値、平均値につきましては、こちらをご覧ください。
  http://www.famic.go.jp/ffis/feed/info/sub2.html

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