R５年４月～R６年２月の有害物質のモニタリング検査結果について（速報）
１ かび毒
有害物質の指導基準又は管理基準が設定されているアフラトキシンB1、デオキシニバレノール、ゼアラレノン、フモニシンを始めとする24成分について、配混合飼料及び13種類の飼料原料のモニタリングを実施した。
そのうち主なかび毒のモニタリング結果は、以下のとおりであった。
１） アフラトキシンB1
配合飼料は95点実施し、最大値は若令牛育成用配合飼料0.003 mg/kgであり、指導基準値（搾乳の用に供する牛、めん羊及び山羊に給与される配合飼料0.01 mg/kg）及び管理基準値（反すう動物（ほ乳期のものを除く。牛、めん羊及び山羊にあっては、搾乳の用に供するものを除く。）、豚（ほ乳期のものを除く。）、鶏（幼すう及びブロイラー前期のものを除く。）及びうずらに給与される配合飼料0.02 mg/kg、反すう動物（ほ乳期のものに限る。）、豚（ほ乳期のものに限る。）及び鶏（幼すう及びブロイラー前期のものに限る。）に給与される配合飼料0.01 mg/kg）を超えるものはなかった。
原料は71点実施し、とうもろこし及びその副産物から検出されており、最大値はとうもろこし（0.011 mg/kg、米国産）、DDGS（0.002 mg/kg、米国産）であった。
２） デオキシニバレノール
配合飼料は95点実施し、最大値は幼令肉用牛育成用配合飼料 1.6 mg/kgであり、 管理基準値（反すう動物（ほ乳期のものを除く。）に給与される配合飼料3 mg/kg、家畜（反すう動物（ほ乳期のものを除く。）を除く。）及び家きんに給与される飼料1 mg/kg）を超えるものはなかった。
原料は130点実施し、主にとうもろこし及びその副産原料から検出されており、最大値は、とうもろこし（3.3 mg/kg、米国産）、コーングルテンフィード（7.4 mg/kg、国産）、DDGS（4.1 mg/kg、米国産）であった。
３） ゼアラレノン
配合飼料は95点実施し、最大値は肉用牛肥育用配合飼料で0.18 mg/kgであり、管理基準値（家畜及び家きんに給与される配合飼料0.5 mg/kg）を超えるものはなかった。
原料は118点実施し、主にとうもろこし及びその副産原料から検出されており、主な原料の最大値は、とうもろこし（0.22 mg/kg、米国産）、コーングルテンフィード（0.97 mg/kg、国産）、コーングルテンミール（2.1 mg/kg、国産）、DDGS（0.51 mg/kg、米国産）であった。
４） フモニシン（B1+B2+B3）
配合飼料は95点実施し、最大値は種豚育成用配合飼料で3.2 mg/kgであり、管理基準値（家畜及び家きんに給与される配合飼料4 mg/kg）を超えるものはなかった。
原料は82 点実施し、とうもろこし及びその副産原料から検出されており、それらの最大値は、とうもろこし（6.3 mg/kg、米国産）、コーングルテンフィード（1 mg/kg、国産）、コーングルテンミール（3.7 mg/kg、国産）であった。
２ 重金属
有害物質の管理基準が設定されているカドミウム、鉛、ひ素及び水銀について配混合飼料及び乾牧草等のモニタリングを実施した。
１） カドミウム
配合飼料は23点実施し、最大値は成鶏飼育用配合飼料の0.19 mg/kgであり、管理基準値1 mg/kgを超えるものはなかった。
原料は魚粉等18点実施し、最大値は魚粉の1.2 mg/kg（国産）であり、管理基準値3 mg/kgを超えるものはなかった。
２） 鉛
配合飼料は23点実施し、最大値は成鶏飼育用配合飼料の1.3 mg/kgであり、管理基準値3 mg/kgを超えるものはなかった。
原料は魚粉等18点実施し、最大値は魚粉の0.7 mg/kg（国産）であり、 管理基準値7 mg/kgを超えるものはなかった。
３） ひ素
配合飼料は23点実施し、最大値は成鶏飼育用配合飼料の0.35 mg/kgであり、管理基準値2 mg/kgを超えるものはなかった。
原料は魚粉等 18点実施し、最大値は魚粉の7.5 mg/kg（国産）であり、管理基準値15 mg/kgを超えるものはなかった。
４） 水銀
配合飼料は23点実施し、最大値は成鶏飼育用配合飼料の0.05 mg/kgであり、管理基準値0.4 mg/kgを超えるものはなかった。
原料は魚粉等18点実施し、最大値は魚粉の0.61 mg/kg（国産）であり、管理基準値1 mg/kgを超えるものはなかった。
３ 農薬
省令で基準が設定されている成分を含む57成分についてモニタリングを実施した。そのうち主に検出された農薬のモニタリング結果は、以下のとおりであった。
基準値を超えたものはなかった。また、基準が設定されていない成分については家畜に影響を及ぼしたり、畜産物に残留する可能性がある濃度を超えるものはなかった。
配合飼料は56成分について実施し、検出された農薬は4成分17点であった。成分別の検出数（種類、最大値）は、クロルピリホスメチル2点（成鶏飼育用配合飼料、0.026 mg/kg）、デルタメトリン及びトラロメトリン2点（肉豚肥育用配合飼料、0.11 mg/kg）、ピリミホスメチル11点（肉豚肥育用配合飼料、0.58 mg/kg）、マラチオン2点（成鶏飼育用配合飼料0.21 mg/kg）であった。
原料は、57成分について実施し、検出された農薬は7成分29点であった。成分別の検出数（種類、産地、最大値）は、グリホサート10点（とうもろこし、アルゼンチン産、0.061 mg/kg）、 ピリミホスメチル10点（とうもろこし、ブラジル産、0.39 mg/kg）、マラチオン2点（とうもろこし、アルゼンチン産、 0.15 mg/kg） 、シハロトリン2点（アルファルファ、米国産、1.4 mg/kg）、クロルピリホス2点（とうもろこし、アルゼンチン産、0.018 mg/kg）、プロシミドン1点（ウィートヘイ、オーストラリア産、0.11 mg/kg）、ペルメトリン2点（とうもろこし、ブラジル産、0.083 mg/kg）であった。
注
各項目における点数は、分析を実施したサンプル数ではなく、分析を実施したのべ成分点数である。
なお、成分ごとの検査件数、検出件数、最大値、平均値につきましては、こちらをご覧ください。
http://www.famic.go.jp/ffis/feed/info/sub2.html
