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各抗菌性物質の安全性に係る試験成績の公表

 各抗菌性物質(抗生物質及び合成抗菌剤)の安全性に係る試験成績の公表について、農林水産省から公表されましたので、転載します。
事  務  連  絡 
平成18年5月23日 


 独立行政法人肥飼料検査所
       飼料管理課長 殿


農林水産省消費・安全局         
畜水産安全管理課飼料検査指導班長 


各抗菌性物質の安全性に係る試験成績の公表について

 このことについて、先般、抗菌性飼料添加物製造業者の了解を得てとりまとめた別添資料を貴所ホームページへ掲載されますようお願いいたします。


(別添)
各抗菌性物質の安全性に係る試験成績の公表について

農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課 

 抗菌性飼料添加物は、飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律に基づき、規格・基準が定められ、これに基づき飼料が適正に製造、使用等されれば、畜産物への残留及び家畜に対する影響はありません。

 各配合飼料工場においては、製造工程の管理を強化するなどにより、適正な飼料の製造を心がけているところです。また、畜産農家に対して抗菌性飼料添加物の適正使用をお願いしています。

 このようなことから、抗菌性飼料添加物が過剰に与えられたり、事故等により与えてはいけない家畜(成鶏、肉豚、乳牛等)に給与され、畜産物への残留又は家畜に対する事故が起こる可能性は極めて低いと考えられますが、万が一そういった事態が生じた場合には、下記データを参考としてください。

【亜鉛バシトラシン】
 鶏について、規格の最高量の10倍量を含む飼料を与えた場合、給与後に残留を認めない。250倍量を含む飼料を与えた場合、脂肪、胆汁に微量に残留するが、給与後3日目には脂肪中の残留を認めない。毒性については、規格の最高量の25倍量で異常を認めない。
 豚について、規格の最高量の20倍量を含む飼料を与えた場合、給与後に残留を認めない。また、毒性については、規格の最高量の10倍量で異常を認めない。
 牛について、規格の最高量の1.2倍量含む飼料を与えた場合、給与後12時間目に残留を認めない。

【アビラマイシン】
 鶏について、規格の最高量の20倍量を含む飼料を与えてた場合、給与終了時に残留を認めない。また、毒性については、規格の最高量の20倍量で異常を認めない。
 豚について、規格の最高量の10倍量を含む飼料を与えた場合、給与後1日以降に残留を認めない。また、毒性については、規格の最高量の10倍量で異常を認めない。

【アルキルトリメチルアンモニウムカルシウムオキシテトラサイクリン】
 鶏について、規格の最高量の4倍量を含む飼料を与えた場合、給与後2日目に残留を認めない。また、毒性については、規格の最高量の約36倍量で異常を認めない。
 豚について、規格の最高量の約3倍量を含む飼料を与えた場合、給与後4日目に残留を認めず、また、毒性については、規格の最高量の約57倍量で異常を認めない。
 牛について、規格の最高量の7倍量を含む飼料を与えた場合、給与後に残留を認めない。また、毒性については、規格の最高量の2.4倍量で異常を認めない。

【エフロトマイシン】
 豚について、規格の最高量の約10倍量を含む飼料を与えた場合、給与後3日目に残留を認めない。また、毒性については、規格の最高量の約10倍量で異常を認めない。

【エンラマイシン】
 鶏について、規格の最高量の20倍量を含む飼料を与えた場合、給与後4日目に残留を認めない。毒性については、急性毒性は、経口投与は>8,000mg/kg、静脈内投与は522.9mg/kg、また、規格の最高量の67.5倍量の1ヵ月及び規格の最高量の約2.2倍量の210日間給与で異常を認めない。
 豚について、規格の最高量の50倍量を含む飼料を与えた場合、給与後に残留を認めない。また、毒性については、規格の最高量の13.5倍量の1ヵ月及び規格の最高量の5倍量の3ヵ月給与で異常を認めない。

【クロルテトラサイクリン】
 鶏について、規格の最高量の2倍量を含む飼料を与えた場合、給与後に残留を認めない。また、毒性については、規格の最高量の約18倍量で異常を認めない。
 牛について、規格の最高量の5倍量を含む飼料を与えた場合、給与後6日目に残留を認めない。また、毒性については、初生牛に0.33mg/kgB.W./日12週間給与で第一胃の機能に影響を与えない。

【サリノマイシンナトリウム】
 鶏について、規格の最高量の2倍量を含む飼料を与えた場合、給与後2日以降に残留を認めない。毒性については、ブロイラーヒナにおける急性毒性(経口)は、雄167.6mg(力価)/kg、雌147.0mg(力価)/kgであり、規定の2倍量を含む飼料を与えた場合、体重増加抑制が認められたが、1.5倍量では異常を認めない。
 牛について、規定の1.3倍量を含む飼料を与えた場合、給与終了時に残留を認めない。毒性については、規定の6.67倍量で異常は認めない。
 豚について、200g(力価)/トンを含む飼料を与えた場合、給与後1日目に残留を認めない。

【セデカマイシン】
豚について、規格の最高量の25倍量を含む飼料を与えた場合、給与後1日目に残留を認めない。また、毒性については、規格の最高量の20倍量で異常を認めない。

【センデュラマイシンナトリウム】
 鶏について、規格の最高量の2倍量を含む飼料を与えた場合、給与後3日目に残留を認めない。また、毒性については、規格の最高量の2倍量以上で増体抑制、飼料摂取量の減少及び発育不良を認たが、3倍量で臨床症状及び病理所見に異常を認めない。

【デストマイシンA】
 豚について、規格の最高量の25倍量を含む飼料を与えた場合、給与後7日以降に残留を認めない。また、毒性については、規格の最高量の4倍量で異常を認めない。

【ナラシン】
 鶏について、規格の最高量の2倍量を含む飼料を与えた場合、給与後2日目に残留を認めない。また、毒性については、規格の最高量の3倍量以上で雌に増体抑制を認たが、それ以外の異常は認めない。

【ノシヘプタイド】
 鶏について、規格の最高量の25倍量を含む飼料を与えた場合、給与終了後3日以降に残留を認めない。また、毒性については、規格の最高量の10倍量で異常を認めない。
 豚について、規格の最高量の10倍量を含む飼料を与えた場合、給与後に残留を認めない。また、毒性については、規格の最高量の10倍量で異常を認めない。

【バージニアマイシン】
 鶏について、規格の最高量の5倍量を含む飼料を与えた場合、給与後に残留を認めず、また、毒性については、規格の最高量の2倍量以上で異常を認めない。
 豚について、規格の最高量の5倍量を含む飼料を与えた場合、給与後に残留を認めず、また、毒性については、規格の最高量の5倍量で異常を認めない。

【ビコザマイシン】
 鶏について、規格の最高量の25倍量を含む飼料を与えた場合、給与後3日目に残留を認めず、また、毒性については、規格の最高量の25倍量で異常を認めない。
 豚について、規格の最高量の25倍量を含む飼料を与えた場合、給与後3日目に残留を認めず、また、毒性については、規格の最高量の25倍量で異常を認めない。

【フラボフォスフォリポール】
 鶏について、規格の最高量の110倍量を含む飼料を与えた場合、給与後に残留を認めず、また、毒性については、規格の最高量の10倍量で異常を認めない。 豚について、規格の最高量の10倍量を含む飼料を与えた場合、給与後に残留を認めず、また、毒性については、規格の最高量の10倍量で異常を認めない。

【モネンシンナトリウム】
 鶏について、規格の最高量の7.5倍量を含む飼料を与えた場合、給与後1日目に残留を認めない。毒性については、急性毒性は、白色レグホーン種ヒナで雄234.5mg(力価)/kg、雌304.1mg(力価)/kgであり、規格の最高量の3倍量を含む飼料を与えると、増体重の低下、飼料摂取量の減少などを認めたが、1.5倍量では異常を認めない。
 牛について、規格の最高量の約1.5倍量を含む飼料を与えた場合、給与終了時に残留を認めない。毒性については、規格の最高量の約3.6倍量で増体重にやや影響を認めた以外の所見を認めず、また、和牛に1回大量投与(50~126mg/kg)した場合、食欲不振、下痢、運動失調及びへい死を認めた。

【ラサロシドナトリウム】
 鶏について、規格の最高量の2倍量を含む飼料を与えた場合、給与後2日目に残留を認めず、鶏卵では、卵白は、規格の最高量を含む飼料を与えた場合、給与終了後に、また、卵黄は、約1.6倍量を与えた場合、給与後7日目に残留を認めない。毒性については、規格の最高量の3倍量で異常を認めない。
 牛について、規格の最高量の2倍量を与えた場合、給与終了時に残留を認めず、また、規格の最高量の3倍量を含む飼料を与えた場合、給与後1日目に残留を認めない。毒性については、規格の最高量の約4.5倍量で、一過性の下痢を認めた以外の臨床症状を認めない。

【硫酸コリスチン】
 鶏について、規格の最高量の25倍量を含む飼料を与えた場合、給与後に残留を認めず、また、毒性については、規格の最高量の10倍量で異常を認めない。
 豚について、規格の最高量の25倍量を含む飼料を与えた場合、給与後3日以降に残留を認めず、また、毒性については、規格の最高量の5倍量で異常を認めない。

【リン酸タイロシン】
 豚について、規格の最高量の2.5倍量を含む飼料を与えた場合、給与終了後に残留を認めず、また、規格の最高量の25倍量を与えた場合、給与後2日目に残留を認めない。毒性については、規格の最高量の25倍量で異常を認めない。

【アンプロリウム・エトパベート】
 鶏について、アンプロリウムを250ppm含む飼料を与えた場合、給与後4日目に残留を認めない。アンプロリウムを250ppm及びエトパベートを8ppm与えた場合、エトパベートは給与後8時間目に腎臓でわずかに残留を認めた。毒性については、鶏については、アンプロリウムの急性毒性(経口)は5.7g/kg(3~4日令)、4.2g/kg(4週令)であり、また、1000ppmの投与で異常を認めない。アンプロリウム100ppmを含む飼料にエトパベート100ppmを加え与えた場合、異常を認めない。

【アンプロリウム・エトパベート・スルファキノキサリン】
 アンプロリウム100ppm、エトパベート5ppm、スルファキノキサリン60ppmを含む飼料を与えた場合、給与後5日目に残留を認めない。毒性については、スルファキノキサリンの急性毒性(経口)試験(2週令)では、4.0g/kgでは死亡するものはいない。また、250ppmを含む飼料を与えた場合、異常を認めない。

【クエン酸モランテル】
 豚について、規格の最高量の5倍量を含む飼料を与えた場合、給与後1日目に残留を認めず、また、毒性については、規格の最高量の5倍量で異常を認めない。

【デコキネート】
 鶏について、規格の最高量を含む飼料を与えた場合、給与後3日目に残留を認めない。毒性については、ブロイラーは規格の最高量の125倍量で異常を認めず、また、育雛、産卵鶏は規格の最高量の160倍量で異常を認めない。

【ナイカルバジン】
 鶏について、規格の最高量の2倍量を含む飼料を与えた場合、給与後7日目に残留を認めない。毒性については、規格の最高量の2倍量以上で増体重の減少を示したが、規格の最高量の6倍量までは臨床上の変化を認めない。

【ハロフジノンポリスチレンスルホン酸カルシウム】
 鶏について、規格の最高量の2倍量を含む飼料を与えた場合、給与後7日目に残留を認めず、また、毒性については、規格の最高量の3倍量で異常を認めない。

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