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加工食品残さを原料とする動物質性飼料中の牛由来たん白質の確認試験法について

26消安第3691号 
平成26年10月27日 

農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課長 

加工食品残さを原料とする動物質性飼料中の牛由来たん白質の確認試験法について

 本年5月13日に、加工食品工場の製造工程から発生する動物由来たん白質を含む加工残さ(以下「加工食品残さ」という。)については、豚肉骨粉等の飼料原料として利用が再開されました。一方で、加工食品残さに含まれる原材料は多種多様であり、原材料の組み合わせ等によっては、これまでの牛由来たん白質の確認試験法(ELISA法)で偽陽性又は偽陰性を示す(以下「非特異反応」という。)可能性が考えられるところです。このことから、非特異反応をより起こしにくい試験方法の検討をELISAキットの製造業者に要請してきたところです。
 今般、製造業者から提案された試験方法について、(独)農林水産消費安全技術センター(以下「FAMIC」という。)が市販の加工食品等を用いて非特異反応が生じる可能性、牛肉骨粉を用いた再現精度等の観点から検討を行ったところ、良好な結果が得られ、加工食品残さを原料とする豚肉骨粉等の動物質性飼料中の牛由来たん白質の確認試験法に適用が可能であるとの結論が得られました。
 これを踏まえ、今後、都道府県において加工食品残さを原料とする豚肉骨粉等の動物質性飼料中の牛由来たん白質の確認試験を実施する場合には、別添の試験方法により実施願います。

(別添)
加工食品残さを原料とする動物質性飼料中の牛由来たん白質の確認試験法

 ELISAによる方法注1
(適用範囲:魚介類加工食品残さ、家きん加工食品残さ又は豚加工食品残さを原料とする動物質性飼料)
 試料の採取、保管及び調整法については、飼料分析基準(平成20年4月1日付け19消安第14729号農林水産省消費・安全局長通知)第17章第1節の規定による。
 水は滅菌した超純水(精製水を更に電気伝導率5.9 μS/m以下(比抵抗17 MΩ・cm以上)に精製したもの。以下同じ。)を用い、試薬等並びに器具類は必要に応じ、滅菌したものを用いる。
A  試薬等の調製[1]
1) 抽出溶媒  抽出溶媒濃縮液A液注2 100 mL、抽出溶媒濃縮液B液注2 100 mL及び抽出溶媒濃縮液C液注2 100 mLを混合し、水を加えて1,000 mLとする。
2) 洗浄液  洗浄液(20倍濃縮液)注2 50 mLに水を加えて1,000 mLとする。
3) 検体希釈液  検体希釈液(10倍濃縮液)注2 5 mLに水を加えて50 mLとする。
4) 検体希釈液II  検体希釈液19 mLに抽出液1 mLを加えて混合する。
B  検   出
抽  出  分析試料0.4 g(0.40~0.44 g)を量って50 mLのポリエチレン製チューブに入れ、抽出溶媒19.6 mLを加え、振とう機注3で30秒間ずつ3回かき混ぜる[2]。これを沸騰水浴中で10分間加熱し[3]、放冷後、3,000×gで10分間遠心分離し、上澄み液をろ紙(5種A)でろ過する。このろ液50 μLをマイクロチューブ(容量1.5 mL)に入れ、検体希釈液950 μLを加え混合する[4]。この液100 μLを新しい8連マイクロチューブ(容量各1.2 mL)又はマイクロチューブ(容量1.5 mL)に入れ、検体希釈液II 300 μLを加え混合[4]し、ELISA操作に供する試料溶液とする。
ELISA操作  試料溶液、高濃度及び低濃度陽性対照液注4、動物由来及び植物由来陰性対照液注5及び検体希釈液(空試験溶液とする。)各100 μLを、抗体固相化モジュール注2のそれぞれ別のウェル注6 [5]に入れ[6] [7] [8]、シール注2をして[9]密閉し軽く振り混ぜた後、25 °Cで1時間静置する[10]。各ウェル内の液を完全に除去し、各ウェルに洗浄液300 μLを加えて6回繰り返し洗浄する[11]
 次に、各ウェルに酵素標識抗体溶液注2 100 μLを加え[12]、シールをして密閉し軽く振り混ぜた後、25 °Cで1時間静置する[10]。各ウェル内の液を完全に除去し、各ウェルに洗浄液300 μLを加えて6回繰り返し洗浄する[11]
 次に、各ウェルに酵素基質溶液注2 100 μLを加え[12]、モジュール用注2ふたをして軽く振り混ぜた後、25 °Cで20分間遮光して静置する[10]。更に各ウェルに反応停止液注2 100 μLを加え[12]、酵素反応を停止させる。30分以内に各ウェルの450 nm及び620 nm注7における吸光度をマイクロプレートリーダーで測定し[13]、各ウェルの450 nmの吸光度値から620 nmの吸光度値を差し引いた値を測定値とする[14]
判  定  試料溶液の測定値の平均値が陽性判定基準値注8以上であった場合を陽性と判定し、陽性判定基準値未満であった場合を陰性と判定する。試験成立条件注9を満たしていない場合には、再試験を行う。

注1 モリナガ加熱処理牛由来タンパク質検出キットVer.2(森永生科学研究所製)による方法又はこれと同等の結果が得られる方法。
 2 キットに付属しているものを使用する。
 3 VORTEX-GENIE2(Scientific Industries製)、又はこれらと同等の結果が得られるものを用いる。
 4 陽性対照はキットに付属しているものを用いる。なお、高濃度陽性対照液は、高濃度標準品(特定動物種の筋肉組織対照液(牛モモ肉50 μg/mL相当))、低濃度陽性対照液は、低濃度標準品(特定動物種の筋肉組織対照液(牛モモ肉3 μg/mL相当))を用いる。
 5 陰性対照はキットに付属しているものを用いる。なお、動物由来陰性対照液は、陰性対照溶液I(特定動物種の筋肉組織対照液(豚モモ肉5 mg/mL相当))、植物由来陰性対照液は、陰性対照溶液II(植物配合飼料(5 mg/mL相当))を用いる。
 6 各液はそれぞれ2ウェル以上に入れ、それぞれの測定値の平均値により判定を行う。
 7 波長610~650 nmの範囲内の単波長であればよい。
 8 低濃度陽性対照液の平均測定値を陽性判定基準値とする。
 9 試験成立条件は次のとおり。
・測定した空試験溶液の測定値の平均値が0.08以下であり、高濃度陽性対照液の測定値の平均値が0.6以上1.6以下であること。
・測定した空試験溶液の測定値の平均値が0.08以下であり、高濃度陽性対照液の測定値の平均値が0.6以上1.6以下であること。

 (参考)検出感度及び特異性
 ・検出感度
魚粉中の牛由来たん白質:牛由来肉骨粉(原物換算)として1 %程度
チキンミール中の牛由来たん白質:牛由来肉骨粉(原料換算)として1 %程度
豚肉骨粉及び原料混合肉骨粉中の牛由来たん白質:牛由来肉骨粉(原物換算)として1 %程度
検出感度は、検査材料(原料)の加熱処理温度条件(製造方法)及び成分の含有条件等により異なるので注意が必要である。
 ・特異性
検出することを確認済みの動物種:ウシ
検出しないことを確認済みの動物種:ブタ、ニワトリ
検出しないことを確認済みの加工食品:ハム、ベーコン、焼豚、豚角煮、ウインナーソーセージ(鶏肉、豚肉使用)、ポークウインナー、フィッシュソーセージ、チルドハンバーグ(チキン)、肉団子、冷凍鶏から揚げ、冷凍餃子、チキンステーキ、冷凍焼売、さつま揚げ、つみれ(魚肉ねり製品)、すじ(魚肉ねり製品)、鶏肉団子、はんぺん、ちくわ、蒲鉾、カニかま、冷凍焼き飯、冷凍たこ焼き、冷凍エビフライ、冷凍トンカツ、冷凍カキフライ、鰻蒲焼き、焼肉のタレ、中華スープの素(半ねりタイプ)、チキンコンソメ(乾燥)、鶏がらスープの素(乾燥)

 《注解及び留意点》
[1] キットに付属している試薬は十分常温に戻してから使用する。
[2] 内容液が渦を形成し容器の上部に達していることを確認しながら十分にかき混ぜる。
[3] キャップを少しゆるめた状態で、沸騰した水浴中で10分間加熱する。
[4] マイクロチューブの代わりに8連チューブ(1.2 mL容量)を用い、マルチピペットを用いて希釈及び混合を行うと、素早く出来、その後の操作でウェルに加えた後の時間の差を極力減らせるため、便利である。
[5] ウェルに加えた後の時間の差を極力減らすため、あらかじめ各液を予備プレート等に分注しておき、そこからマルチピペットを用いて速やかにウェルへ移すことが望ましい。
[6] 反応のばらつきを防ぐため、各ピペットの操作について、十分習熟しておく必要がある。
[7] 各試薬をピペットでウェルに滴下する際は、チップの先端がウェル内壁や底部に直接触れないようにする。また液が内壁を伝うことなく直接ウェルの底部に滴下する必要がある。このとき液内部及び液面に気泡が生じないよう注意する。
[8] 各ウェルに各溶液を加えた後、液が飛び散らぬ程度、こぼれぬ程度にフレームを軽く水平に回すか、もしくはフレームの角を軽くたたく等してウェル内の液を混合する。
[9] シールできちんと密閉していない場合、適切に測定できないので注意する。
[10] 25 °Cに設定可能なインキュベーターを用いるとよい。
[11] 市販の自動プレート洗浄機を用いてもよい。この洗浄操作は十分に行う必要があるため、洗浄が十分行われていないと考えられる場合は、試験者の判断で洗浄の回数を増やしてもよい。
[12] サンプルトレー等に液を入れ、マルチピペットを用い速やかに各ウェルに加える。
[13] プレートの裏側が洗浄液等で汚れていると吸光度が適切に測定されないことがあるので、ペーパータオル等で底面を拭いて測定を行う。また、ウェル内の液に気泡があっても正しく測定されないので、気泡が生じている場合は気泡を除いてから測定を行う。
[14] 測定値は、ブランク補正を行わず計算を行い判定に供する。

・分析法フローシート

試料0.4g

――――― 抽出液19.6 mL

――――― 撹はん振とう 30秒間、3回

――――― 水浴 100℃、10分間加熱

――――― 放冷

――――― 遠心分離 3,000×g、10分間

――――― ろ過(5種A)

――――― ①希釈(ろ液50μL、検体希釈液950μL)

――――― 希釈Ⅱ(①液100μL、検体希釈液Ⅱ300μL)

――――― 抽出液19.6 mL

ELISA

――――― 試料溶液、各陽性コントロール液、各陰性コントロール液及び空試験溶液各100mL

――――― シールで密封して1時間反応(25℃)

――――― 洗浄(6回)

――――― 酵素標識抗体溶液100μL添加

――――― 洗浄(6回)

――――― 酵素基質溶液100μL

――――― 20分間反応(25℃、遮光条件下)

――――― 反応停止液

測定(プレートリーダー、450及び620nm波長)

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