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調査研究報告 第34号(平成22年10月)

  • 3401 DNA分析を用いた牛肉の雌雄判別法の検討(PDF:358KB)

    牛肉の雌雄を判別するためにSasazakiらが開発した雄牛特異的マーカー(SRYマーカー)及びウシ共通の内在性マーカー(AMLX1マーカー)を用いたPCRによって、牛肉の雌雄判別が可能かの検討を行った。オス47個体及びメス49個体で確認した結果、AMLX1マーカーのPCRでは、すべての試料で目的長のPCR増幅産物が得られ、DNA抽出に問題がないことが確認された。また、SRYマーカーのPCRでは、すべてのオス試料から目的長のPCR増幅産物が得られ、メス2個体でもPCR増幅産物が得られた。ウシの染色体異常として外見上の性別と染色体に相違がある生殖巣発育不全症やフリーマーチン等の現象があり、ホルスタイン種でのフリーマーチンの発生率は1~2 %であるとの報告がある。SRYマーカーでPCR増幅産物が得られたメス2個体についてはフリーマーチン等の染色体異常の可能性が考えられる。このため、本法は1~2 %の誤判別が生じると考えられる。さらに、本法について4試験室において未知試料を用いて共同試験を実施したところ、配付したすべての試料について正しく雌雄を判別した。

  • 3402 全自動電気泳動装置を用いたDNA分析の導入検討(PDF:756KB)

    多くのPCR法では、電気泳動により分離された特定塩基長のPCR産物や制限酵素で断片化されたDNA断片の塩基長のパターンを目視で検出し生物種や品種等の判定を行う。電気泳動にかかる一連の操作を手作業で行うことによる分析者への負担の軽減及び分析処理の効率化を図るために、マグロ属魚類及びサケ科魚類の魚種判別法について、アガロースゲル電気泳動と全自動電気泳動装置による電気泳動の比較検討を行った。その結果、全自動電気泳動装置は、従来のアガロースゲル電気泳動と同様にPCR産物やDNA断片の塩基長の検出が可能であり、各魚種の判別に問題は生じなかった。また、全自動電気泳動装置による電気泳動では、アガロースゲル電気泳動で分離が困難な10–15 bp程度の差があるDNA断片の塩基長の分離及び検出が困難な25–80 bp程度の短いDNA断片の塩基長の検出が可能であった。

    判定に用いるDNA断片の検出において、塩基配列から推定した理論上のDNA断片の塩基長と分子量マーカー算出されたDNA断片の塩基長の値(測定値)との間に大きな差がみられる場合もあったが、各DNA断片の塩基長の測定値の標準偏差は一部のDNA断片を除いて5 bp以下であり、一定の測定値をとるものと考えられた。

  • 3403 黒糖と加工黒糖の判別可能性の検討(PDF:525KB)

    黒糖は、サトウキビの絞汁液のみを原材料として、これを加熱濃縮して製造される含蜜糖であり、輸入粗糖等に糖蜜等を加えて製造される加工黒糖と区別される。近年、黒糖はミネラルやビタミンを多く含む健康食品として注目され、需要が増加している一方、一部に、廉価な加工黒糖を黒糖と偽った製品が流通していると言われている。そこで、黒糖の表示の真正性を確認する必要があると考えられることから、これを判別する分析法の検討を行った。

    検討の結果、最初に灰分を分析し、その結果が2.0 %以下であれば加工黒糖の可能性があり、2.0 %を超えた場合には灰化物中のカリウム及びマグネシウム濃度を分析し、この値を構築した判別関数に代入することにより、得られた得点に応じて黒糖と加工黒糖を判別することができる可能性があることがわかった。

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