飼料及び飼料添加物の成分規格等に関する省令の規定に基づき組換えDNA技術応用飼料及び飼料添加物の安全性に関する確認の手続を定める件
平成14年11月26日 農林水産省告示第1780号
一部改正 平成17年 2月28日 農林水産省告示第 361号
平成26年 7月23日 農林水産省告示第1006号
令和 7年 6月20日 農林水産省告示第 970号
飼料及び飼料添加物の成分規格等に関する省令(昭和51年農林省令第35号)別表第1の1の(1)のチ及びツ並びに別表第2の2の規定に基づき,組換えDNA技術応用飼料及び飼料添加物の安全性に関する確認の手続を次のように定める。
(適用)
第1条 飼料及び飼料添加物の成分規格等に関する省令(昭和51年農林省令第35号)別表第1の1の(1)のシ及びス並びに別表第2の2に規定する確認(以下単に「確認」という。)の手続については,この告示の定めるところによる。
(確認の申請)
第2条 確認の申請は,別記様式による申請書を農林水産大臣に提出して行わなければならない。
(確認)
第3条 農林水産大臣は,前条第1項の申請に係る飼料若しくは飼料添加物の使用に伴い有害畜産物が生産され,又は家畜等に被害が生ずることにより畜産物の生産が阻害されるおそれがないと認める場合には,確認をしなければならない。
2 農林水産大臣は,確認を行う場合には,農業資材審議会の意見を聴かなければならない。
(公表)
第4条 農林水産大臣は,確認を行ったときは,遅滞なくその旨を公表しなければならない。
(確認の取消し)
第5条 農林水産大臣は,新たな科学的知見を得た場合その他の場合において,現に確認を受けている飼料又は飼料添加物の使用に伴い有害畜産物が生産され,又は家畜等に被害が生ずることにより畜産物の生産が阻害されるおそれがあると認めるときは,当該確認を取り消すことができる。
2 前項の確認の取消しについては,第3条第2項及び前条の規定を準用する。

別記第1(第2条第2項関係)
飼料が組換えDNA技術によって得られた生物(微生物を除く。)を含む場合に係る確認の申請書に添付する書類
1 審査対象品目の概要に関する資料
2 安全性審査において比較対象として用いる既存品種(宿主(組換えDNA技術において、遺伝子又はDNAが移入される生細胞及び個体をいう。以下同じ。)及び宿主と同じ種で一般に食品又は飼料として流通している品種全体をいう。以下同じ。)の性質に関する資料
1 既存品種の分類学上の位置付けに関する資料
2 既存品種による家畜等の飼養実績に関する資料
3 既存品種の利用方法に関する資料
4 既存品種の遺伝的先祖、育種開発の経緯及び近縁の植物種に関する資料
5 既存品種の構成成分等に関する資料
6 既存品種の栽培及び流通過程において、家畜等に悪影響を及ぼす外来因子による汚染に関する資料
7 既存品種の安全な利用に関する資料
8 既存品種の寄生性及び定着性に関する資料
3 組換え体(組換えDNA技術において、目的の遺伝子又はDNAが導入された宿主をいう。以下同じ。)の既存品種との相違等に関する資料
1 新たに付加される形質又は改変される形質に関する資料
2 利用目的に関する資料
3 利用方法に関する資料
(1)栽培方法、収穫時期、種子の製法及び管理方法に関する資料
(2)家畜等の摂取(可食)部位、調製及び加工方法に関する資料
(3)家畜等の摂取量に関する資料
4 安全性において検討が必要とされる既存品種との相違点に関する資料
5 既存品種以外のものを比較対象とする場合は、その理由に関する資料
4 挿入DNA(ベクター(目的とする遺伝子又はDNAを宿主に移入し、増殖させ、又は発現させるため当該遺伝子又はDNAを運搬する核酸分子をいう。以下同じ。)に挿入されるDNAをいう。以下同じ。)、遺伝子産物(導入遺伝子(ベクター又は宿主に組み込まれた遺伝子をいう。以下同じ。)に由来するRNA及びたん白質をいう。以下同じ。)及びコンストラクト(導入遺伝子又はDNAによる新たな形質を適切に発現させるため又は機能をもたらすために構築された核酸分子をいう。以下同じ。)の構築に関する資料
1 ベクターの名称及び由来に関する資料
2 ベクターの性質に関する資料
(1)ベクターの塩基数及びその塩基配列を示す資料
(2)既知の有害塩基配列を含まないことに関する資料
(3)組換え体の選抜に関わる遺伝子(抗生物質耐性マーカー遺伝子を含む。以下同じ。)に関する資料
(4)伝達性及び自律的可動性に関する資料
(5)既存品種への依存性に関する資料
3 挿入DNAの供与体に関する資料
(1)名称、由来及び分類に関する資料
(2)安全性に関する資料
4 導入遺伝子及び遺伝子産物の性質に関する資料
(1)導入遺伝子の機能に関する資料
(2)組換え体の選抜に関わる遺伝子のうち、抗生物質耐性マーカー遺伝子に関する資料
(3)導入遺伝子及び組換え体の選抜に関わる遺伝子の発現に関わる領域に関する資料
ア プロモーターに関する資料
イ ターミネーターに関する資料
ウ 既知の有害塩基配列を含まないことに関する資料
エ 導入遺伝子の発現制御に関わる塩基配列を組み込んだ場合には、その由来、性質等に関する資料
5 その他、導入遺伝子の機能並びに発現たん白質の性質及び機能に関する資料
6 ベクターへの挿入DNAの組込方法等に関する資料
7 コンストラクトに関する資料
(1)塩基数及び塩基配列に関する資料
(2)挿入領域に関する資料
(3)純度に関する資料
5 組換え体の作出及び組換え栽培系統に関する資料
1 遺伝子導入に関する資料
(1)遺伝子の既存品種への導入方法に関する資料
(2)組換え栽培系統に関する資料
(3)コピー数及び挿入近傍配列に関する資料
(4)組換え栽培系統における導入遺伝子の安定性に関する資料
(5)オープンリーディングフレーム(以下「ORF」という。)の有無並びにその転写及び発現の可能性に関する資料
2 遺伝子産物の組換え栽培系統における発現部位、発現時期及び発現量に関する資料
3 遺伝子産物のたん白質摂取量に関する資料
4 遺伝子産物(たん白質であるものに限る。)の物理化学的処理に対する感受性に関する資料
5 組換え栽培系統の代謝経路への影響に関する資料(既存品種、在来種及びその近縁種に含まれる基質と反応する可能性に関する資料を含む。)
6 既存品種との差異に関する資料
(1)栄養素、有害生理活性物質等に関する資料
(2)改変された栄養成分の構成又は代謝系に関する資料
(3)外界における生存及び増殖能力に関する資料
(4)生存及び増殖能力の制限要因に関する資料
(5)不活化法に関する資料
7 諸外国における認可、飼料利用等に関する資料
6 2から5までに掲げる資料により飼料の安全性に関する知見が得られていない場合は、次に掲げる試験のうち必要な試験の成績に関する資料
1 単回投与毒性試験
2 反復投与毒性試験(短期)
3 反復投与毒性試験(長期)
4 世代繁殖試験
5 発がん性試験
6 変異原性試験
7 発生毒性試験
8 対象家畜等を用いた飼養試験
9 その他の試験
別記第2(第2条第2項関係)
飼料が組換えDNA技術によって得られた微生物を含む場合又は飼料が組換えDNA技術によって得られた微生物を利用して製造された場合に係る確認の申請書に添付する書類
1 安全性審査において比較対象として用いる宿主の性質及び組換え体との相違に関する資料
1 宿主及び挿入DNAに関する資料
(1)宿主の種名(学名)、株名等の分類学上の位置付け及び由来に関する資料
(2)DNA供与体の種名、株名、系統名等の分類学上の位置付け及び由来に関する資料
(3)挿入DNAの性質及び導入方法に関する資料
2 宿主の飼料製造への利用実績又は飼料に利用された歴史に関する資料
3 宿主の構成成分等に関する資料
4 宿主と組換え体の飼料への利用方法及びその相違に関する資料
(1)製造方法と貯蔵方法に関する資料
(2)用途及び使用形態に関する資料
(3)家畜等の摂取量に関する資料
(4)調製及び加工方法に関する資料
5 安全性審査において検討が必要とされる組換え体と宿主の相違点に関する資料
2 宿主に関する資料
1 種名(学名)、株名等の分類学上の位置付け等に関する資料
2 病原性及び有害生理活性物質等の生産に関する資料
3 寄生性及び定着性に関する資料
4 病原性の外来因子(ウイルス等)に汚染されていないことに関する資料
5 宿主の近縁株の病原性及び有害生理活性物質の生産に関する資料
3 ベクターに関する資料
1 名称及び由来に関する資料
2 性質に関する資料
(1)ベクターの塩基数及びその塩基配列を示す資料
(2)既知の有害塩基配列を含まないことに関する資料
(3)薬剤耐性に関する資料
(4)伝達性に関する資料
(5)宿主依存性に関する資料
4 挿入DNA、遺伝子産物及びコンストラクトの構築に関する資料
1 挿入DNAの供与体に関する資料
(1)名称、由来及び分類に関する資料
(2)安全性に関する資料
2 挿入DNA又は導入遺伝子及び遺伝子産物の性質に関する資料
(1)挿入DNAのクローニング又は合成方法に関する資料
(2)塩基数及び塩基配列と制限酵素による切断地図に関する資料
(3)導入遺伝子の機能に関する資料
3 導入遺伝子及び抗生物質耐性マーカー遺伝子の発現に関わる領域に関する資料
(1)プロモーターに関する資料
(2)ターミネーターに関する資料
(3)その他、導入遺伝子の発現制御に関わる塩基配列を組み込んだ場合には、その由来、性質等に関する資料
4 ベクターへの挿入DNAの組込方法に関する資料
5 コンストラクトに関する資料
6 DNAの宿主への導入方法に関する資料
5 組換え体に関する資料
1 遺伝子導入に関する資料
(1)コピー数及び挿入近傍配列に関する資料
(2)ORFの有無並びにその転写及び発現の可能性に関する資料
2 遺伝子産物の組換え体内における発現量に関する資料
3 抗生物質耐性マーカー遺伝子の安全性に関する資料
4 組換え体に導入された遺伝子の安定性に関する資料
5 遺伝子産物の代謝経路への影響に関する資料
6 宿主との差異に関する資料
7 組換え体の不活化に関する資料
8 組換え体の取扱い、保存及び管理方法に関する資料
6 生きた組換え体が含まれないことの確認に関する資料
7 組換え体を利用して製造された飼料の安全性審査において、比較対象となる従来の飼料に関する資料
8 組換え体を利用して製造された飼料の製造方法、栄養素等に関する資料
1 製造方法に関する資料
2 主要栄養素に関する資料
3 製造に由来する成分の安全性に関する資料
4 製造工程で共存する他の微生物への影響に関する資料
5 諸外国における認可、飼料利用等に関する資料
9 2、3、7及び8に掲げる資料により飼料の安全性に関する知見が得られていない場合は、次に掲げる試験のうち必要な試験の成績に関する資料
1 単回投与毒性試験
2 反復投与毒性試験(短期)
3 反復投与毒性試験(長期)
4 世代繁殖試験
5 発がん性試験
6 変異原性試験
7 発生毒性試験
8 対象家畜等を用いた飼養試験
9 その他の試験
別記第3(第2条第2項関係)
飼料添加物が組換えDNA技術によって得られた生物を利用して製造された場合に係る確認の申請書に添付する書類
1 審査対象品目の概要に関する資料
2 安全性審査において比較対象として用いる飼料添加物、宿主等の性質並びに組換え飼料添加物及び組換え体との相違に関する資料
1 従来の飼料添加物の性質、用途等に関する資料
(1)名称、基原及び有効成分に関する資料
(2)製造方法に関する資料
(3)用途及び使用形態に関する資料
2 宿主に関する資料
(1)宿主の種名(学名)、株名等の分類学上の位置付け及び由来に関する資料
(2)宿主の飼料添加物製造への利用実績又は飼料に利用された歴史に関する資料
(3)宿主の構成成分等に関する資料
3 挿入DNAに関する資料
(1)挿入DNAの供与体の種名、株名、系統名等の分類学上の位置付け及び由来に関する資料
(2)挿入DNAの性質及び導入方法に関する資料
4 組換え飼料添加物の性質、用途等に関する資料
(1)製品名及び有効成分に関する資料
(2)製造方法に関する資料
(3)用途及び使用形態に関する資料
(4)有効成分の性質及び推定摂取量に関する従来の飼料添加物との比較に関する資料
5 安全性審査において検討が必要とされる組換え飼料添加物と既存の飼料添加物及び組換え体と宿主等の相違点に関する資料
3 遺伝子導入に用いる塩基配列(挿入DNA、遺伝子産物及びコンストラクトの構築)に関する資料
1 ベクターの名称及び由来に関する資料
2 ベクターの性質に関する資料
(1)ベクターの塩基数及びその塩基配列を示す資料
(2)既知の有害塩基配列を含まないことに関する資料
(3)組換え体の選抜に関わる遺伝子に関する資料
(4)伝達性に関する資料
(5)宿主依存性に関する資料
3 挿入DNAの供与体に関する資料
4 導入遺伝子及び遺伝子産物の性質に関する資料
5 導入遺伝子及び組換え体の選抜に関わる遺伝子の発現に関わる領域に関する資料
(1)プロモーターに関する資料
(2)ターミネーターに関する資料
(3)その他の資料
6 ベクターへの挿入DNAの組込方法等に関する資料
7 コンストラクトに関する資料
(1)塩基数及び塩基配列に関する資料
(2)挿入領域に関する資料
(3)純度に関する資料
4 組換え体に関する資料
1 組換え体の利用目的及び利用方法に関する資料
2 宿主との差異に関する資料
3 遺伝子導入に関する資料
(1)コピー数及び挿入近傍配列に関する資料
(2)ORFの有無並びにその転写及び発現の可能性に関する資料
4 組換え体の選抜に関わる遺伝子の安全性に関する資料
5 組換え体以外の製造原料及び製造器材に関する資料
6 組換え飼料添加物に関する資料
1 諸外国における認可、使用等に関する資料
2 組換え体の混入を否定する資料
3 製造に由来する非有効成分の安全性に関する資料
4 精製方法及びその効果に関する資料
5 含有量の変動により有害性が示唆される常成分の変動に関する資料
7 2から6までに掲げる資料により飼料添加物の安全性に関する知見が得られていない場合は、次に掲げる試験のうち必要な試験の成績に関する資料
1 単回投与毒性試験
2 反復投与毒性試験(短期)
3 反復投与毒性試験(長期)
4 世代繁殖試験
5 発がん性試験
6 変異原性試験
7 発生毒性試験
8 対象家畜等を用いた飼養試験
9 その他の試験