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抗菌性飼料添加物を含有する配合飼料及び飼料添加物複合製剤の製造管理及び品質管理に関するガイドライン

 本ガイドラインは、抗菌性飼料添加物を用いる製造過程で配合飼料又は飼料添加物複合製剤(以下「製品」という。)を適正に製造するための飼料工場及び飼料添加物工場における製造管理及び品質管理に関する基本的な遵守事項を示すものである。
 本ガイドラインで用いる用語は、次に定めるところによる。
(1) 「抗菌性飼料添加物」とは、飼料及び飼料添加物の成分規格等に関する省令(昭和51年農林省令第35号)別表第1の1の(1)のウの表に掲げるものをいう。
(2) 「抗菌性飼料添加物製剤」とは、原料となる抗菌性飼料添加物の単一製剤及び複合製剤をいう。
(3) 「原料」とは、製品の製造に用いられる飼料及び飼料添加物であって、製造の中間工程で造られるもの以外のものをいう。
(4) 「予備配合品」とは、製品の製造の中間工程で作られるものであって、抗菌性飼料添加物を含むものをいう。
(5) 「製造指示」とは、事業場の製造部門に対して日々製造する製品名と製造数量を指示することをいう。
(6) 「ロット」とは、一定の期間内に一連の製造工程により均質性を有するように製造された製品、半製品又は原料の一群をいう。
(7) 「不適合品」とは、予備配合品又は製品のうち、その規格を逸脱したものをいう。
 1に規定するもののほか、本ガイドラインにおいて使用する用語は、飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律(昭和28年法律第35号。以下「飼料安全法」という。)及びその関係法令において使用する用語の例による。
 製品を製造する者(以下「製造業者」という。)は、事業場ごとに、製造指示、原料受入れ基準、製造実績、計量実績その他製造状況を把握するために必要な書類を整備しなければならない。
 製造業者は、事業場ごとに、製造順位等に関する基準、抗菌性飼料添加物製剤の数量確認、混合機の精度確認、製造工程の管理その他必要な事項について記載した工程管理基準書を作成しなければならない。
 製造業者は、第10から第12及び第13の1に規定する業務以外に、その事業場の飼料製造管理者に、工程管理基準書に基づき、次に掲げる製品の製造管理に係る業務を適切に行わせなければならない。
(1) 製造工程における指示事項、注意事項その他必要な事項を記載した製造に係る手順書を作成すること。
(2) 次に掲げる業務を自ら行い、又は業務の内容に応じてあらかじめ指定した者に行わせること。
① 製造に係る手順書に基づき製品を製造すること。
② 製品の製造に関する記録をロットごとに作成すること。
③ 製品の表示が適正であることを確認すること。
④ 抗菌性飼料添加物製剤、予備配合品及び製品についてはロットごとに適正に保管及び出納を行い、その記録を作成すること。
⑤ 製造設備を定期的に点検整備(計器の校正を含む。以下同じ。)し、その記録を作成すること。
⑥ その他製造管理に関わる必要な業務
(3) 工程管理基準書に基づく製造管理が適切に行われていることを確認すること。
(4) 飼料安全法第52条に基づく製造に関する記録を作成の日から8年間保存すること。また、保管及び出納並びに製造管理に関する記録を作成の日から原則として2年間以上保存すること。
 製造業者は、事業場ごとに、製造部門から独立した品質管理部門を設置しなければならない。
 製造業者は、事業場ごとに、検体の採取方法、試験実施方法、試験検査結果の判定方法その他必要な事項を記載した品質管理基準書を作成しなければならない。
 製造業者は、事業場ごとに、品質管理部門の責任者として品質管理責任者を置かなければならない。なお、品質管理責任者は、品質管理に関する知識を有した者でなければならない。
 品質管理責任者は、飼料製造管理者を兼務してはならない。
 製造業者は、第11及び第13の1に規定する業務以外に、その事業場の品質管理責任者に、品質管理基準書に基づき、次に掲げる製品の品質管理に係る業務を計画的かつ適切に行わせなければならない。
(1) 次に掲げる業務を自ら行い、又は業務の内容に応じてあらかじめ指定した者に行わせること。
① 原料及び製品について、原則としてロットごとに必要な検体を採取し、その記録を作成すること。
② 採取した検体について、定められた試験検査頻度で当該事業場又は他の試験検査機関において試験検査を行い、その記録を作成すること。
③ 製品について、ロットごとに所定の試験検査に必要な量の2倍以上の量を適切な期間、適切な保管条件の下で保存すること。
④ 試験検査に関する設備及び機器を定期的に点検整備し、その記録を作成すること。
⑤ その他品質管理に係る必要な業務
(2) 試験検査結果の判定を行い、その結果を飼料製造管理者に対して文書により通知すること。
(3) 試験検査に関する記録を作成の日から原則として2年間以上保存すること。
 製造業者は、第10から第14に規定する業務を適切に行うため、事業場ごとに、異常時対応、苦情処理、回収処理、自己点検及び教育訓練の手順に関する文書(以下「手順書」という。)を作成しなければならない。
 製造業者は、機器の故障等の事故、不適合品の発生又はそのおそれのある異常があったときは、その事業場の飼料製造管理者に、異常時の対応に関する手順書に基づき、次に掲げる異常時対応に係る業務を行わせなければならない。
(1)異常発生の原因を究明し、製造管理又は品質管理に関し改善が必要な場合には、所要の措置を講じること。
(2)異常の内容、原因究明の結果及び改善措置を記載した異常時対応記録を必要に応じて作成し、その作成の日から原則として2年間以上保存すること。
 製造業者は、製造した製品に関し、その含有する抗菌性飼料添加物の量又は種類に関して苦情があったときは、その苦情に係る事項が当該製品を製造した事業場に起因するものでないことが明らかな場合を除き、当該事業場の飼料製造管理者又は品質管理責任者に、苦情処理に関する手順書に基づき、次に掲げる苦情処理に係る業務を行わせなければならない。
(1)苦情に係る事項の原因を究明し、製造管理又は品質管理に関し改善が必要な場合には、所要の措置を講じること。
(2)苦情の内容、原因究明の結果及び改善措置を記載した苦情処理記録を作成し、その作成の日から原則として2年間以上保存すること。
 製造業者は、製造した製品に関し、その含有する抗菌性飼料添加物の量又は種類に関する理由により回収を行うときは、その回収に至った理由が当該製品を製造した事業場に起因するものでないことが明らかな場合を除き、当該事業場の飼料製造管理者に、回収処理に関する手順書に基づき、次に掲げる業務を行わせなければならない。
(1) 回収に至った原因を究明し、製造管理又は品質管理に関し改善が必要な場合には、所要の措置を講じること。
(2) 回収した製品を適切に処理すること。
(3) 回収及び処理の内容、原因究明の結果及び改善措置を記載した回収処理記録を作成し、その作成の日から原則として2年間以上保存すること。
(4) 回収を行った場合は、原則として農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課に報告すること。
 製造業者は、原則としてその事業場の飼料製造管理者及び品質管理責任者に、次に掲げる業務を行わせなければならない。
(1) 自己点検に関する手順書に基づき当該事業場における製品の製造管理及び品質管理の実施状況について定期的に自己点検を行うこと。
(2) 自己点検の結果の記録を作成し、その作成の日から原則として2年間以上保存すること。
 製造業者は、1の(1)の自己点検の結果に基づき、製造管理又は品質管理に関し改善が必要な場合には、所要の措置を講じるとともに、当該措置の記録を作成し、その作成の日から原則として2年間以上保存しなければならない。
 製造業者は、あらかじめ指定した者に、教育訓練に関する手順書に基づき、次に掲げる業務を行わせなければならない。
(1) 製造・品質管理業務に従事する職員に対して、製造管理及び品質管理に関する必要な教育訓練を計画的に実施すること。
(2) 教育訓練の実施状況を製造業者に対して文書により報告すること。
(3) 教育訓練の実施の記録を作成し、その作成の日から原則として2年間以上保存すること。

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