このページの本文へ移動

肥料の鑑定方法(2019)



 独立行政法人農林水産消費安全技術センター(FAMIC)は、農林水産行政と密接に連携しつつ、農業生産資材(肥料、農薬、飼料及び土壌改良資材)や食品を対象として科学的な検査・分析を行い、農業生産資材の安全の確保、食品等の品質の改善・表示の適正化等に技術で貢献することを使命に掲げ、検査業務に取り組んでいます。
 このうち、肥料の検査・分析については、肥料の品質確保等に資するため、肥料中の成分を定量するための「肥料等試験法」を定め、試験法の性能を調査するとともに、分析機器の進歩や新たな成分等に対応する試験方法の開発を行い、これらの成果をFAMICのホームページに掲載しています。
 一方、肥料の形態観察、定性試験による肥料の有効成分の確認などの鑑定方法は、FAMICの前身である農林省神戸肥飼料検査所が、昭和38年に「実用肥料鑑定法」を発行して以来改訂がなく、肥料生産業者や検査指導機関など肥料関係各方面から、新たな肥料や測定器の進歩に対応した鑑定方法等の公開が望まれておりました。
 このため、今般、ふるい分け、比重分離など試料の調製操作及び顕微鏡観察、機器による同定など検出方法を体系的に整理するとともに、試験紙による肥料成分の検出方法やX線回折装置による肥料の定性試験法などの新たな同定方法を収載した「肥料の鑑定方法(2019)」を作成し、FAMICのホームページに掲載しました。編集にあたっては、「肥料等試験法」と同様に個別の操作を明確にするとともに、試料の調製から検出までの流れを図示して、鑑定方法の全体像を把握できるよう工夫するなど、より分かり易い記載となるよう心懸けました。
 本鑑定方法が肥料等の生産・品質管理、検査などに携わる方々にとりまして、品質の確保等の一助になれば幸いです。
 最後に、「肥料の鑑定方法(2019)」の作成にあたり、肥料等技術検討会肥料等試験・サンプリング法検討部会の検討委員の皆様には、技術的な内容についてのご指導を賜り厚く感謝の意を表します。
2019年12月
独立行政法人農林水産消費安全技術センター
理事長  木内 岳志

目次