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調査研究報告 第37号(平成25年11月)

  • 3701 ゴボウの原産地判別の試料調製法の再検討(PDF:1.0MB)

    ゴボウ28試料について、ゴボウ表面の洗浄度合いを変えた場合及び皮の除去を行った場合の元素濃度の変動を確認し、既報のゴボウの原産地判別法の再評価を行った。その結果、既報の判別モデルはゴボウ表面に付着した土壌の除去の影響を受けやすく、判別能力が低くなる可能性があることが示された。また、前処理法の違いに影響されず、かつ判別能力が高い判別モデルが存在することが示された。

  • 3702 輸入小麦を使用した小麦加工品の検査法の検討(PDF:1.0MB)

    うどん類及びパン類の原料として使用された輸入小麦を確認するために、その小麦に特有の増幅断片を検出するSSRマーカーを利用したフラグメント解析の適用性を検討した。これまでに報告のあった国内41品種以外の13品種についてPCR増幅パターンを調べたところ、輸入小麦銘柄ASW、DNS及び1CWに特有の217 bp及び219 bpの増幅断片は検出されなかった。2008~2012年に生産されたASW、DNS及び1CWについては、217 bp及び219 bpの増幅断片が検出された。国産小麦粉に輸入小麦粉を混合したモデル試料を作製し、分析したところ、混合割合に応じて217 bp及び219 bpの増幅断片の蛍光強度が変化した。輸入小麦に特有の217 bp及び219 bpの増幅断片を検出することで、原料小麦中に輸入小麦の有無を判別することが可能であり、その増幅断片の蛍光強度を用いて、輸入小麦の混入割合を推定の可能性が示唆された。

  • 3703 トウモロコシ加工品の新規DNA抽出法の検討(PDF:1.2MB)

    市販の加工食品を対象として、DNA抽出キットGM quicker 3によるDNA抽出法のトウモロコシ加工品への適用について検討した。現行のJAS分析試験ハンドブックに記載されているDNeasy Plant Maxi KitによるDNA抽出法と比較したところ、GM quicker 3抽出試料はタンパク質の混入が少ない可能性が示唆された。また、10 ng/µL以上の抽出DNA原液が得られる商品の品目の種類は、抽出法間で大きな差は見られなかった。PCR及び電気泳動の結果として、DNeasy Plant Maxi Kitによる抽出では内在性遺伝子が検知されなかった試料でも、GM quicker 3による抽出では内在性遺伝子が検知された。

    以上のことから、GM quicker 3はDNeasy Plant Maxi Kitよりもトウモロコシ加工品からのDNA抽出に適していることが示唆された。よって、トウモロコシ加工品についてGM quicker 3によるDNA抽出法の適用は可能であると考えられる。

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