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飼料及び飼料添加物の成分規格等に関する省令の規定に基づき組換えDNA技術応用飼料及び飼料添加物の製造基準を定める件

平成14年11月26日 農林水産省告示第1782号

一部改正 平成26年 7月23日 農林水産省告示第1007号


 飼料及び飼料添加物の成分規格等に関する省令(昭和51年農林省令第35号)別表第1の1の(2)のシ及び別表第2の3の(7)の規定に基づき、組換えDNA技術応用飼料及び飼料添加物の製造基準を次のように定める。

 (適用)
第1条 飼料及び飼料添加物の成分規格等に関する省令(昭和51年農林省令第35号)別表第1の1の(2)のコ及び別表第2の3の(7)に規定する製造の基準については、この告示の定めるところによる。

 (製造基準)
第2条 飼料及び飼料添加物の成分規格等に関する省令別表第1の1の(2)のコ及び別表第2の3の(7)に規定する農林水産大臣が定める基準(以下「製造基準」という。)は、別記第1及び別記第2に掲げるとおりとする。

 (確認の申請)
第3条 飼料及び飼料添加物の成分規格等に関する省令別表第1の1の(2)のコ及び別表第2の3の(7)の確認を受けようとする者は、その事業場ごとに、別記様式第1による申請書に当該事業場が製造基準に適合していることを証する書面を添付して、農林水産大臣に提出しなければならない。

 (確認)
第4条 農林水産大臣は、前条の規定により申請書の提出があったときは、事業場が製造基準に適合しているかどうかの確認を行わなければならない。
2 外国の製造事業場であって、製造基準と同等又はそれ以上の基準により管理されていると農林水産大臣が認めるものは、前項の農林水産大臣の確認が行われたものとみなす。

 (事業場における施設等の変更)
第5条 第3条及び前条第1項の規定は、同項の農林水産大臣の確認を受けた事業場における施設等の変更について準用する。

 (確認の取消し)
第6条 農林水産大臣は、事業場が製造基準に適合しなくなったと認めるときは、第4条第1項の確認を取り消さなければならない。

 (報告)
第7条 第4条第1項の確認を受けた者は、組換えDNA技術応用飼料又は飼料添加物の製造の開始時及び終了時並びに毎年度末に別記様式第2により、事業場ごとの製造の実施状況を農林水産大臣に報告しなければならない。
2 製造業者は、組換えDNA技術応用飼料又は飼料添加物の製造に当たって、その安全性に影響を及ぼす事態が生じた場合は、速やかにその旨を農林水産大臣に報告しなければならない。


別記様式1

別記様式2

別記第1(第2条関係)

  施設、設備及び装置の基準

1 GILSP組換え体(宿主(組換えDNA技術において、DNAが移入される生細胞をいう。以下同じ。)、ベクター(目的とする遺伝子を宿主に移入し、増殖させ、又は発現させるため当該遺伝子を運搬するDNAをいう。以下同じ。)、挿入DNA(ベクターに挿入されるDNAをいう。以下同じ。)及び組換え体(組換えDNAを含む宿主をいう。以下同じ。)が別記第3の宿主、ベクター、挿入DNA及び組換え体の性質の基準を満たしている場合における当該組換え体をいう。以下同じ。)を利用して飼料又は飼料添加物を製造する場合は、次に掲げる要件を満たす施設、設備及び装置を用いて行わなければならない。
1 作業区域(組換え体を直接取り扱って製造作業を行う区域をいう。以下同じ。)を有すること。
2 作業区域は、他の区域と区分され、組換え体を利用して飼料又は飼料添加物を製造するための培養及び発酵装置を有すること。
3 組換え体の生物学的性状並びに飼料又は飼料添加物の品質に関する試験及び検査をするための設備を有すること。
4 次に掲げる設備を有すること。
(1)組換え体と組換え体以外のものを区別して保管できる冷凍庫、冷蔵庫等の保管設備
(2)培地等を衛生的に調製するための設備
(3)製造又は試験及び検査に使用する機械器具、容器等を洗浄し、かつ、滅菌することのできる設備
5 組換え体を混入せず飼料又は飼料添加物を製造することができる設備を有すること。
6 製造過程において安全でない不純物を発生させず、又は飼料若しくは飼料添加物に混入させない設備を有すること。
7 その他組換え体を取り扱う上で必要と認められる設備及び装置を有すること。
2 カテゴリー1組換え体(GILSP組換え体以外の組換え体であって非病原性のものをいう。以下同じ。)を利用して飼料又は飼料添加物を製造する場合は、前項に定める要件のほか、次に掲げる要件を満たす施設、設備及び装置を用いて行わなければならない。
1 組換え体を取り扱う工程が閉鎖系であること。
2 閉鎖系からの排気ガスにより組換え体の漏出が最小限に抑制されていること。
3 サンプリング、閉鎖系への物質の添加及び他の閉鎖系への組換え体の移動により組換え体の漏出が最小限に抑制されていること。
4 培養液を閉鎖系から開放系へ移す場合は、あらかじめ有効であることが確認されている手段により、組換え体を除去し、又は不活性化してから行われていること。
5 閉鎖系の密閉のための設計は、組換え体の漏出が最小限に抑制されること。
6 必要な場合は、閉鎖系を設置する作業区域に国際的に使用されている生物的危険表示を掲げること。
7 閉鎖系を設置する作業区域内において、可能な限り、指定された製造従事者以外の立入りが制限されていること。
8 閉鎖系を設置する作業区域の製造従事者は、専用の作業衣を着用すること。
9 閉鎖系を設置する作業区域に製造従事者のための汚染除去設備及び洗浄設備を有すること。
10 必要な場合は、閉鎖系を設置する作業区域に空気の汚染を最小限にするための換気設備を設けること。
11 廃液及び廃棄物の処理については、あらかじめ有効であることが確認されている手段により、不活性化してから行うこと。

別記第2(第2条関係)

  職員及び組織の基準

1 製造事業場ごとに次に掲げる業務を行う者(以下「製造管理者」という。)が設置されていること。
1 設備及び装置の管理、組換え体の取扱い並びに組換えDNA技術応用飼料又は飼料添加物の取扱いに関する事項を記載したマニュアル(以下「製造管理マニュアル」という。)を作成すること。
2 組換えDNA技術応用飼料又は飼料添加物の製造計画を立案するとともに、組換えDNA技術応用飼料又は飼料添加物の製造及び組換え体による汚染の防止に関する事項を記載したマニュアル(以下「製造作業マニュアル」という。)を作成すること。
3 組換え体を含む培養液の流出等の事故に対する対策及び緊急時の作業手順について記載したマニュアル(以下「緊急時対応マニュアル」という。)を作成すること。
4 次に掲げる事項を記録し、組換えDNA技術応用飼料又は飼料添加物の製造が終了した日から5年間保存すること。
(1)組換え体の名称及びその容器に付された番号
(2)保管場所、保管条件、継代回数、保管責任者、保管開始年月日等組換え体の保管及び継代の状況
(3)組換え体の生物学的性状並びにその試験及び検査を行った年月日
(4)組換え体を譲り受けた相手方の氏名及び住所、譲り受けた年月日並びに譲り受けた者の氏名
(5)設備及び装置の定期検査の記録及び製造記録
(6)組換えDNA技術応用飼料又は飼料添加物の試験及び検査の記録
5 組換え体を含む保管物の明細目録を作成し、保存すること。
6 製造作業に係る全体の適切な管理及び監督を行うこと。
7 製造作業に従事する者(以下「製造従事者」という。)に対し、製造作業に従事する前に、あらかじめ製造作業マニュアルを熟知させるとともに、次に掲げる事項に関する教育訓練を行うこと。
(1)組換え体の起源、製法、性質等の組換え体の安全性に関する知識
(2)製造に用いる組換え体の安全な取扱いに関する技術
(3)設備及び装置に関する知識及び取扱いに関する技術
(4)製造過程の衛生的管理、汚染の防止等に関する知識
(5)緊急時対応マニュアルの熟知等の事故発生時の措置に関する知識
8 組換えDNA技術応用飼料又は飼料添加物の製造上の安全を確保するための委員会(以下「製造安全委員会」という。)に組換えDNA技術応用飼料又は飼料添加物の製造に係る業務の安全の確保について、調査審議を求めること。
9 その他組換えDNA技術応用飼料又は飼料添加物の安全性の確保に必要な事項を実施すること。
2 製造過程の衛生管理及び組換えDNA技術応用飼料又は飼料添加物の安全性の確保に必要な知識及び技術に関して高度に習熟した者のうちから、製造事業場ごとに次に掲げる業務を行う者(以下「製造安全主任者」という。)が設置されていること。
1 組換えDNA技術応用飼料又は飼料添加物の製造が、この告示に従って適正に行われていることを確認すること。
2 組換えDNA技術に関して製造管理者を補佐すること。
3 その他組換えDNA技術応用飼料又は飼料添加物の安全性の確保に必要な事項を実施すること。
3 製造事業場ごとに次に掲げる要件を満たす製造安全委員会が設置されていること。
1 製造安全委員会は、高度に専門的な知識及び技術並びに広い視野に立った判断が要求されることを十分に考慮し、適切な分野の者により構成されていること。
2 製造安全委員会は、製造業者の代表者又は製造事業場の長及び製造管理者の求めに応じ、次に掲げる事項について調査審議を行い、製造業者の代表者又は製造事業場の長及び製造管理者に対し、必要な助言又は勧告を行うとともに、審議記録を5年間保存すること。
(1)製造管理マニュアル及び製造作業マニュアルのこの告示への適合性
(2)製造従事者に対する安全教育訓練及び健康管理の状況
(3)緊急時対応マニュアルの適格性
(4)事故発生の際の必要な処置及び改善策
(5)その他組換えDNA技術利用飼料又は飼料添加物の安全性の確保に関し必要な事項
4 組換えDNA技術応用飼料又は飼料添加物の製造従事者に対し、定期健康診断の実施に関するマニュアルを作成するとともに、定期健康診断の結果を5年間保存すること。

別記第3(別記第1関係)

  宿主、ベクター、挿入DNA及び組換え体の性質の基準

1 宿主は、次に掲げる性質を有すること。
1 非病原性であること。
2 ウイルス等の病原性に関係のある外来因子により汚染されていないこと。
3 長期にわたり工業的利用が安全になされているものであるか、又は工業的利用の場で最適の増殖が可能であり、外界においては限られた増殖能力しか示さず、かつ、環境に悪い影響を及ぼさないものであること。
2 ベクター及び挿入遺伝子は、次に掲げる性質を有すること。
1 DNAの分子量及び制限酵素による切断地図等が十分に明らかにされているものであること。
2 既知の有害な塩基配列を含まないこと。
3 目的の機能を果たすために挿入DNAの大きさが可能な限り小さく制限されていること。
4 目的の機能に必要な場合を除き、組換え体の外界での安定性が増大するようなものでないこと。

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